ジャパンラグビー2007トップリーグ マッチレポート

 


ジャパンラグビー2007トップリーグ開幕!

 


 10月27日(土)、28日(日)、東京秩父宮に引続いて関西地域でも、トップリーグが華々しく開幕、27日、静岡ヤマハスタジアムは雨模様、28日(日)大阪近鉄ラグビー場では抜けるような青空の下、それぞれ一万人近い観衆を迎え、いずれも開幕を飾るに相応しい熱戦でした。

 近鉄花園ラグビー場の模様を中心に以下でお伝えします。

10月27日(土) ヤマハスタジアム 14:03〜 KICKOFF
ヤマハ発動機ジュビロ
26
10 - 7

16 - 13
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
20

 (詳しくは、日本協会ホームページをご覧下さい。)


10月28日(日) 近鉄花園ラグビー場 13:00〜 KICKOFF
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ

  36
26 - 14

10 - 7
NECグリーンロケッツ
21

 当日、花園では、ラグビークリニックなど多彩なイベントが繰り広げられ、また、開幕に当たっての式典も催され、新しいシーズンを迎える喜びと期待が盛り上がりました。


(写真−ほぼ満員のスタンドの下華々しく開催された式典)

(写真:長澤孝哉)

◎ マッチレポート
  トップリーグ・花園開幕第一戦は、NECの先制トライで幕を開けた。神鋼の安定しないスクラムに対して、NECは猛チャージで神鋼を圧倒する。序盤は、神鋼22m付近でのゲーム展開。
  しかし、15分を過ぎた頃から神鋼10番ホラの動きが良くなり、バックスにボールがよく回るようになった。神鋼が初めて相手陣22mまで押し込んだチャンスを2番松原がトライの形にしたことで流れが変わった。NECの防御は決してゆるくはなかったが、神鋼は攻守の切り替えの反応がよく、ボールの展開が速くなった。神鋼はゴール前の浅い位置のスクラムから巧妙なタップパスを通し、14番小笠原が飛び込み逆転。 その後バックスのスイッチプレーやきびしいタックルを振り切り13番今村のトライで得点を加え、完全に流れをつかんだかに見えた。しかしながら、NECは10番ヴェストハイゼンのパントキックをゴール前に落とし、こぼれ玉の処理を誤った隙に2つ目のトライを取って、26-14とし後半につなげた。
  花園に、ハーフタイムを告げるホーンが初めて鳴ったが、NECは止められない、神鋼もプレーを止めない。最後は神鋼9番後藤の冷静な判断でタッチへ蹴り出した。

  後半に入って、NECは流れを取り戻すために展開をしたが少ない人数で密集を整理できず、攻めつつもボールを支配できない。神鋼もホラがDGを狙うが得点にはならない。お互いのイージーミスで攻守が変わるゲーム運びとなった。
  NECは、神鋼の深いキックボールがデットラインの前で止まった際、選手が外からボールを広いあげ「ドロップアウト」ではなく「キック位置でのスクラム」を選択するルールを熟知した頭脳プレーも見せた。またゴール前に落ちる巧妙なキックパスを受け取ったが惜しくもタッチを割ってしまった。
  神鋼は、後半11分と28分の2回、危険なタックルでシンビンを受けながらも、後半開始直後に負傷で代わった22番濱島が2つトライを決めるなど、その影響を感じさせなかった。2つのトライの内の1つは10番ホラが狙ったDGがゴールポストにあたり、跳ね返りを、忠実に走り込んで来た濱島が拾い押さえたものだった。
  終了前、NEC15番武井がステップで神鋼のラインを割って前進するなど健闘を見せ、18番二リが1トライを返すもボーナスポイントには届かなかった。これでトップリーグ神鋼2勝・NEC3勝。NECは4連勝できなかった。

(記事:長澤孝哉)

動きを取戻した神鋼ホラ


DFの壁を崩すNECマーシュ


隙を突くNECヤコ


神鋼後半トライへ濱島

(写真:長谷川昭男)

◎ 会見レポート(花園)
【NEC 細谷監督】
 今日のゲームは接点で神戸のペースになってしまった、DF、アタックのイージーミスからのトライで相手に流れを与えてしまった、まずはこれにつきる。

【NEC 浅野キャプテン】
 開幕に向けてターゲットにしていた神戸戦…なんとか勝ちたかったゲームだった、非常に悔しい、負けることは考えていなかった。
 最初に簡単にトライをいい形で取ったが、その後に相手陣でコツコツとPGで積み重ねる選択もあったが、昨年のようにボーナス点を取れなかった問題点もあり今日のゲームはトライにこだわった。
 次のゲームまで5日間しかない、この5日間でNECの強さを出せるよう、今日のゲームを良いステップにしたい。

(ブレイクダウンでのゴール前で再々ターンオーバーされたのは?)
細谷監督:神戸はラックでの攻防で人数をかけてくるし、寄りも早い、こちらは少ない人数でボールを出すプランでそこのファイトで負けてしまった。リリースは出来るがそのボールをだすまでの過程でうまくいかなかった、その点を修正したい。
(箕内をリザーブにしたのは?)
細谷監督:ワールドカップでのケガの状態もあるが、箕内の持っていないスピード、前半はこれで突破していこうというプラン、またヤコに対するプレッシャーを考えればSO経験者を2枚そろえて、相手陣で戦うことを意図した。




【神戸製鋼 平尾総監督】
 緒戦ということで勝ちたかったゲーム、5ポイント取れていい滑り出しができた。内容はまだまだだが、気迫、気持ちのこもったゲームで、特にDFでほころびることのないゲームだった。FWが頑張ってくれて、ラックで負けずに押し返し、取り返すことが出来た。今季は春先にけが人が少なく、体をぶつけ合う練習が出来たが、一つの成果が出たと思う、今シーズンを戦う上で明るい材料が見えたゲームだった。
 プレシーズンマッチでサントリーにボロボロに負けたが、今日の試合からが選手の成長の過程で、地ならしし、積み上げていく、いわば醸成していく。これからまだ伸び代が期待できるし、若手の出場活躍も期待できる、次のゲームを楽しみにむかえることが出来る。

【神戸製鋼 後藤キャプテン】
 FWの頑張りにつきると思う、東芝VSサントリーのいいゲームを見せてもらった、日本一のいいゲームだと思う。
 我々がそこへ到達するにはこれを超えなければならない、全員が80分を切れることなく意識付けられた、これをベースに、これを底と位置づけて積み上げていきたい

(記事:北畑幸二、写真:長谷川昭男)

(以上、文責:村島博)