ジャパンラグビー2007トップリーグ マッチレポート

 


2007トップリーグ第2節マッチレポート(その1)

 


 先週の開幕節に続いて、関西地域でも11月3日の文化の日、名古屋市の瑞穂公園ラグビー場と東大阪市の近鉄花園ラグビー場で、翌4日の日曜日には、京都市、西京極の陸上競技場兼球戯場で第2節の5試合が秋晴れの空の下で行われました。
 第1節開幕の華やかさから一転して、試合に集中する雰囲気の中で、3000人から5000人に及ぶ観客を集めて熱戦が戦われました。

 「マッチレポートその1」として、以下で瑞穂公園ラグビー場で戦われた試合をレポートします。


11月3日(土) 名古屋市瑞穂公園ラグビー場 12:00〜 KICKOFF
ヤマハ発動機ジュビロ
19
5 - 23

14 - 0
NECグリーンロケッツ
23

◎ マッチレポート
 好天に恵まれ、11月にしては汗ばむような陽気の中、名古屋 瑞穂での開幕ゲームの第1試合が始まった。開始よりFWの出足の良いNECに対してタックル等ディフェンスの悪いヤマハ。2分過ぎモール主体で攻めるNECがゴール前で10番ヤコが縦をついてトライ。ゴールも成功し7-0とリード。 10分には押され気味の中、やはり10番ヤコがパスをインターセプトし60m独走トライ。19分には、やはりヤコがモールより正面DGを決め17-0とリードを広げる。ヤマハは、再三のチャンスをノッコンで潰し、攻めあぐむ中、22分過ぎに相手キックをチャージしインゴールで押さえ1トライを返した。NECは、その後もヤコの効果的なキックで陣地を進め、モール主体の攻めで相手反則を誘い、2PGを追加し23-5とリードする。ヤマハは、得点機のPGを外し、ゴール前に攻めてもノッコンでチャンスを逸し、得点を伸ばせないままハーフタイムとなった。

 後半、開始早々よりヤマハがFW、BK一体となりリズム良く攻めるもNECの一歩前に出る勢いのあるディフェンスを崩せず得点があげられなかった。
 その中、15分過ぎNECのディフェンス網をヤマハ8番が突破し中央にトライし、23-12と追い上げる。その後20分間NECFWがモール主体で圧力をかけ、ゴール前で攻め続けるが出足の戻ったヤマハよりトライを奪えず。逆にヤマハは相手ゴール前で攻め続け、終了際に1トライ1ゴールを返し、23-19でノーサイドとなった。ヤマハは、後半も得点機のPGを外し、スコアを伸ばせなかったのが痛かった。


(写真1 NEC側のスクラム−互いにしのぎをけずるセットプレイ)


(写真2 ヤマハサイドからみたブレイク・ダウンでの攻防)

◎ 会見レポート
【ヤマハ発動機ジュビロ 堀川監督】
 すばらしい環境の中、たくさん来ていただいたファンにありがとうとお礼を言いたい。前半セットピース、ブレークダウンで負け、点を取られた。セットが安定しないのでヤマハのアタッキングラグビーが出来ない。後半は、自分たちのラグビーは出来たがNECのFWに時間をうまく使われた。今日のゲームで学んだことは多い。

【ヤマハ発動機ジュビロ 久保主将】
 まずは多くのサポーターに感謝したい。前半の入りでNECに上回れた。後半は挽回できたが、ゲームマネージメントは相手が上。でも勝ち点1は大きい。今後のゲームに生かしたい。




【NECグリーンロケッツ 細谷監督】
 前半は我々のプラン通りにFWがラッシュし、一人一人の責任も果たせた。後半は守りきるが、1トライ取られ反省している。チームとして向上していく上で反省点が見つかり良かった。
 前の試合でラインアウトのセットミス、ブレークダウンからのキープが淡白だったのが、中5日で修正できた前半は良かった。後半、暑さからか足が止まり前半のように機能出来なかった。後半、連続攻撃を許し、ターンオーバーされ得点された。

【NECグリーンロケッツ 浅野主将】
 前半と後半でまったく違うチーム。前半はエリアマネージメントを含めとても良かった。後半は、悪いとこだらけ。ゴール前にこだわったが得点できなかった。1試合80分間続けられるように頑張りたい。






11月3日(土) 名古屋市瑞穂公園ラグビー場 14:00〜 KICKOFF
トヨタ自動車
ヴェルブリッツ

  59
5 - 10

54 - 0
三菱重工相模原
ダイナボアーズ

5

◎ マッチレポート
 地元トヨタ登場で5000人を超える観衆の中、名古屋 瑞穂での開幕ゲームの第2試合が始まった。開始よりFWの突進を軸にリズム良くトヨタ攻めるも得点に至らず。反対にしつこいディフェンスの三菱。攻めてもライン裏へのパントを有効に使い陣地を取り戻す。16分過ぎラックよりラインに回し14番遠藤が先制トライ。しかし、トヨタは密集での反則が多く、攻めるもリズムに乗れない。 24分過ぎに三菱がトヨタ反則直後のラインアウトより11番コリンズが抜け出しトライ。ゴールも決まり5-7と逆転。36分にはPGを成功させ5-10と得点を伸ばした。トヨタは攻めるもノッコンでチャンスを潰し前半を終了。

 後半、レフリー 牧野氏が負傷のため、相田氏に替わった。開始直後トヨタがFW、BK一体となりリズム良く攻め、ノーホイッスルトライを奪い12-10と逆転。トヨタはリズムが戻りつつも三菱のディフェンスが厳しく、有効なボールが出ず得点に結びつかない。しかし15分前後より三菱FWに疲れが見え始め、トヨタは菊谷、正面、遠藤の突破より13、19、22、27、31分と連続トライを奪い試合を決めた。31分過ぎには、トヨタの新外国人でフィジーの7人制代表のライダーが登場し、観客が盛り上がる中、1パスを受けると3人をかわし中央にトライ。終了間際にも1トライを追加し59-10でノーサイドとなった。


(写真5 トヨタのラインアウト、競り合う両チーム)


(写真6 低い三菱のスクラム)

◎ 会見レポート
【三菱重工相模原ダイナボアーズ 相良監督】
 前半は40分間積極的に戦えた。後半14点差となったときに1本トライが取れれば流れが取り戻せると思ったが、ゲームマネージメントが悪かった。大量失点は仕方がない。トヨタの強い当たりには負けてないと思ったが。

【三菱重工相模原ダイナボアーズ 佐藤主将】
 前半は思った通りのゲームプラン。後半は、タッチキックがラインを割らずにずるずると失点を重ねた。自分たちで流れを崩した。来週からプレーの精度を上げたい。当たりは受けていなかったが、80分間続けられなかった。80分間続けられなかったのは、フィジカルなことではなく、メンタルダメージが大きかった。




【トヨタ自動車ヴェルブリッツ 石井監督】
 自分たちを忘れるとこのようなゲームになると戒めるようなゲーム。初勝利もキャプテンに試合終了後言われ気づいた。素直にうれしい。無様だが次につながる勝利だと思う。

【トヨタ自動車ヴェルブリッツ 麻田主将】
 試合前にチャレンジャーで行こうと声をかけた。しかし三菱の方が低く、こちらが慌て、入りが悪くなった。ハーフタイムで監督より基本プレーをしていけば、こちらのリズムになるとアドバイスを受けた。ボールを持ったら前に出て、テイクオーバーしていったらリズムが出来た。


(記事、写真:大久保 誠)

(以上、文責:村島 博)