ジャパンラグビー2007トップリーグ マッチレポート

 


2007トップリーグ第2節マッチレポート(その3)

 


 今回は、11月3日の文化の日に、名古屋市の瑞穂公園ラグビー場で行われた2試合の「マッチレポートその1」、同日、東大阪市の近鉄花園ラグビー場で行われた2試合の「マッチレポートその2」に引続いて、トップリーグ第2節の関西地域のレポートの最終篇「マッチレポートその3」として、翌4日、西京極運動公園陸上競技場兼球技場で行われた1試合の模様をお伝えします。


11月4日(日) 西京極運動公園陸上競技場兼球技場 14:00〜 KICKOFF
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ

33
14 - 14

19 - 17
九州電力
キューデンボルテックス

31

◎ マッチレポート
 開幕戦でNECを下し勢いに乗る神戸製鋼に今季トップリーグ初参入の九州電力が挑戦する形、トップリーグでは初の顔合わせだけに注目のカード。

 前半は風上の九電がキックを多用、神戸がこれに付き合いキックでテリトリーを確保する形で進む、12分に神戸が相手陣22m付近ラックから右へ展開5番ロイス・ウイリスがトライ、対する九電は17、22分にPGを決めて食い下がる、29分には九電が相手陣22竇ソラックから14番吉永が抜け出しトライし逆転、34分には神戸がキックをチャージし2−14−9番とつなぎトライ、14-14のタイスコアで折り返す。

 後半2分、九電12番ナイサン・グレイが神戸のフラットパスをインターセプトしトライ、神戸は8分、16分、28分とトライを重ね突き放すかに見えたが、九電もPGと31分のトライで2点差にまで詰め寄る、ノーサイドのホーンが鳴ったがゲームは切れずに九電の自陣からの猛攻がしばし続いたが、最後はラックから神戸がターンオーバーしSH後藤がタッチへ蹴りだし逃げ切った。

 初参戦の九電のさわやかな戦いにスタンドから大きな拍手が起こった、ボール支配率で神戸に若干勝っていたと思われ、ターンオーバーを簡単に許してしまったのが悔やまれるが、反則が神戸9に対し、2という数字が九電の戦いを象徴している。


(写真1 高いジャンプでラインアウトに競り勝つ九州電力ヒーニー)


(写真2 神戸製鋼ウィリス先制のトライ)


(写真3 クラウチ・アンド・ホールド!固いパックの神戸製鋼スクラム)


(写真4 九州電力鉄壁のダブル・タックル)


(写真5 九州電力FWブレイク・ダウンでの素早い集散)


(写真6 二つのトライを上げた神戸製鋼後藤キャプテン)


(写真7 果敢に展開を図る九州電力ミラー)


(写真8 ラインアウトモールからトライを奪う神戸製鋼)

◎ 会見レポート
【九州電力キューデンボルテックス 神田監督】
 神戸は以外に硬いゲーム運びだった、神戸のモールとキックでやられた、タフなゲームだったが選手はよく体を張って戦ってくれた、今後、リーグを戦っていく糧にしたい。

【九州電力キューデンボルテックス 川嵜キャプテン】
 トップリーグ初参入ということで1試合、1試合が真剣勝負、ゲームの中で勝てるポイントはいくつかあったが、ラグビーは15−15の中で全員が仕事をしなければならない、こちらが12~13人でやっているのに対し神戸は15人全員が仕事をしている、この全体的な力の差があった、いい反省材料になったと思う。

(密集でのターンオーバーが多かったのは?)
川嵜キャプテン:
 ブレイクダウンのところは今シーズンしっかりゲートを意識して練習してきた、しかしレフリング、神戸との解釈に違いがあったと思うが、やはりボール確保しているところでの相手の仕掛けや体の使い方は上手かった。



【神戸製鋼コベルコスティーラーズ 平尾総監督】
 5ポイント取れたことは満足している、我々は九電は強いと思っていたのでそれなりのゲームになると予想していた。
 風下の前半のゲームの進め方をもう少し工夫しないといけない、少し認識が甘かった、風下とはいえミスキックで思うところへボールを運べない、エリア、テリトリーをしっかり確保し、そこから上手くせめていくことが必要、後半は大味なゲームになりがちなのだが、よく守ったと思う、九電がいいゲームをしてくれたし、いい課題をもらった。

【神戸製鋼コベルコスティーラーズ 後藤キャプテン】
 勉強になったゲーム、自分たちがまだまだだと認識した、しっかり分析し課題を克服し、ステップアップしていきたい。

(どのような課題が残ったのか)
後藤キャプテン:
 キッキングゲームをしっかり制すること、ラインアウトの整理、ここをしっかりしないと攻撃の起点とならない、(ラインアウトに関して)九電の分析が高く、またこちらのオプションが少なかった、しかしライインアウトはパズルのようなもので修正は可能だ。


(記事:北畑幸二、写真:長谷川昭男)

(以上、文責:村島 博)