ジャパンラグビー2007トップリーグ マッチレポート

 


2007トップリーグ第3節マッチレポート(その2)

 


 今回は、前回の名古屋市の瑞穂公園ラグビー場で行われた試合のレポートに引続いて、「マッチレポートその2」として、同じ日に、東大阪市の近鉄花園ラグビー場で行われた2試合のレポートをお伝えします。

11月10日(土) 近鉄花園ラグビー場 12:00〜 KICKOFF
サントリー
サンゴリアス

 22
15 - 6

7 - 17
コカ・コーラウェスト
レッドスパークス

23

◎ マッチレポート
 コーラのキックオフでゲームは始まった。前半6分にサントリー陣ラインアウトからコーラが左へ展開、しかし、その後のラックでターンオーバーされジリジリとゲインをゆるし、最後はゴール前ラックからサントリー6番大久保(直)が押さえてトライ。16分にもサントリーがトライを重ね、やはり接点でサントリーが強いか…と思われたが、20分過ぎからコーラのディフェンスが機能しだし、15−6と後半に望みをつなぐ。

 後半6分にサントリーがラインアウトモールを押し込みトライ。しかしその後コーラのディフェンスの出だしがよくなり、サントリーも攻め込むが強いプレッシャーに攻めあぐねる状況。10分にコーラがPGで3点追加。さらにコーラは、15分にサントリー陣ラックより左中間へ展開しトライで追い上げる、23分にコーラ9番江浦のチャージから22番ベンジャミンがトライ、ゴール成功で遂に逆転。その後は粘り強いディフェンスとサントリーのミスで逃げ切った、前節に続き、粘りのディフェンスから後半に勝負をかけるというコーラの策がはまった好ゲームだった。


(写真1 コーラ、鉄壁のダブルタックル)


(写真2 サントリー、果敢にサイドを突くトンプソン)


(写真3 コーラ、ニールソン、タックルに飛び込みサントリーの突破を阻む)


(写真4 クラッシュ!サントリー大久保キャプテン)


(写真5 縦突破を図るコーラのFW)


(写真6 ゴールラインを目指すサントリー小野澤)


(写真7 サントリー平のトライ)


(写真8 ノーサイド!コーラの金星)

◎ 会見レポート
【サントリーサンゴリアス 清宮監督】
 負けるべくして負けたゲームという印象、コーラはいいディフェンスを繰り返しており、こちらは上手く攻めきれなかった、今日の敗戦のポイントは3点。
 ・練習でひっかかるところがあり、その兆候があったのに対応出来なかったところ
 ・コーラのディフェンスが非常に良かった
 ・自分が前日の関西のラジオの生放送で「全勝優勝」と発言したことでチームがゆるんでしまった

【サントリーサンゴリアス 大久保キャプテン】
 完敗です、取れるところで取れなかった、これが一番の敗因です。

(練習での兆候とは?)
清宮監督:
 いつもと違うポジションでプレーする選手がいる中で輝いていない、特BK,中身がともなっていなかった。
(練習での兆候とは?)
大久保キャプテン:
 プロップが判定に関して対応できなかった。
清宮監督:
 ターンオーバーを求めるスクラムと反則しないようにスクラムマネジメントする選手のスクラムの違い、ちゃんとスクラムを組めばサントリーは押せるはずなのに不必要な反則をしてしまった、スクラムは押し合いせずにボールが入るまではストップする、いこじにならずそれを心がける。


【コカ・コーラウエストレッドスパークス 向井監督】
 今日は、キックオフから接点を少なく、体力を温存し、後半はうちの武器で勝負するというゲームプランがうまくはまった。サントリーはセットプレーで崩してくる、そのスクラム、ラインアウトでよく持ちこたえてくれたと思う。
もう1本くらい取れるチャンスがあったがそれをさせてくれなかったサントリーはさすが。

【コカ・コーラウエストレッドスパークス 山口キャプテン】
 監督のプランどおり、選手を信じて送り出した、前半は離されないようにディフェンスで辛抱してついていった。後半はフィットネス勝負、20分までは何とかついていき、それからが勝負だと思っていたがサントリーは強かった。

(後半の武器とは?)
向井監督:
 スピードを変える目的でベンジャミンとコンタクト、タックル力でルークを投入した。
(全勝優勝を掲げるサントリーに土をつけた感想は?)
向井監督:
 シーズンの6ヶ月間をとおして体調のいい選手はまずいない、サントリーに対してこちらはベストのメンバーで組めた、勝ちが続くと勝ち慣れする、そこをうちは上手く突けた、次のサントリーは強いですよ。




11月10日(土) 近鉄花園ラグビー場 14:00〜 KICKOFF
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ

 54
19 - 7

35 - 0
三菱重工相模原
ダイナボアーズ

7

◎ マッチレポート
 神戸製鋼としては、先週に続いてトップリーグ初参戦の対戦相手。その三菱に対して前半は、神戸が11分、15分と立て続けにトライ、流れは一方的に神戸かと思われたが、三菱は、19分に相手ゴール前中央のモールを押し込み、トライを返す。しかし、28分には神戸がさらに1トライをあげ19−7で後半へ。

 後半は、開始早々に神戸がゴール前中央のモールを押し込みトライ。その後も4トライを重ね、神戸が54−7で勝負を決めた、三菱は相手シンビンなど何度かチャンスがあったものの自らのミスで生かすことができず、競ったゲームをすることが出来なかった。


(写真1 DFのギャップを突こうとする三菱重工)


(写真2 一騎打ち!神戸製鋼伊藤)


(写真3 厚いDFの突破を図る神戸製鋼)


(写真4 モールを押し込んでトライへ!三菱重工)


(写真5 チャージの間をぬって巧みなキックを見せる神戸製鋼山本)


(写真6 神戸製鋼の突進を阻む三菱重工のDF)


(写真7 相手DFラインを一瞬スキャンしてパスアウト、三菱重工西舘)


(写真8 巧みなステップと厚いサポートの神戸製鋼BK攻撃)

◎ 会見レポート
【三菱重工相模原ダイナボアーズ 相良監督】
 このような大差になり悔しい、トヨタ戦でゲームマネジメントをしっかりすればある程度は戦えるという感触を持った、今日は、チャンスはあったが自分たちのミスで潰してしまった、もう少し競ったゲームが出来たと思う。

【三菱重工相模原ダイナボアーズ 児玉キャプテン】
 悔しい負け、これをバネに早くトップリーグで勝利をつかみたい。

(前半は互角、後半に点差が開いたのは?)
相良監督:
 後半の立ち上がりに切るところは切ってコントロールしていくべきところができない、また相手FWがシンビンで1人少ない状況で取れなく段々と流れが悪くなっていった。

(トップとの力の差は?)
相良監督:
 相手の早いディフェンスでプレッシャーを受けたときのブレイクダウンのボールキープ力、これからは4トライでのクロスゲームでポイントを稼ぐ戦いをしていきたい。



【神戸製鋼コベルコスティーラーズ 平尾総監督】
 前半もたついた感はあったが、先週の思わぬ苦戦で少し慎重になりすぎた、中盤からフレッシュなメンバーが積極的に頑張ってくれた。

【神戸製鋼コベルコスティーラーズ 後藤キャプテン】
 全体としてこういう点差だが、まだまだ細かい点で目に見えていないミスが多い、これをしっかり改善していく必要がある。

(細かいミスとは?)
後藤キャプテン:
 ハンドリング、タックルなど目に見えるミス以外に、その場にいない事、判断ミスなどが多くあった。

(今日の新しいメンバーについて?)
平尾監督:
 しっかりプレーしている、もともと春はゲームに出ていたメンバーだし、土台が出来上がっていると感じている。

後藤キャプテン:
 毎週のコンテストで競り合った上でメンバーを決めているので不安はなかった。むしろ期待のほうが大きかった。


(記事:北畑幸二、写真:長谷川昭男)

(広報担当者:村島 博)