ジャパンラグビー2007トップリーグ マッチレポート

 


2007トップリーグ第4節マッチレポート(徳島)

 


 トップリーグ第4節、関西地域では、11月17日土曜日に、鳴門市の大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムで、九州電力キューデンヴォルテックス対トヨタ自動車ヴェルブリッツの試合が行われました。試合のレポートをお伝えします。

11月17日(土) 大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム 14:00〜 KICKOFF

九州電力
キューデンヴォルテックス

 22
5 - 22

17 - 5
トヨタ自動車
ヴェルブリッツ

27

◎ マッチレポート
 気温17度、快晴、微風の絶好のコンディションの中、鳴門ポカリスエットスタジアムは、観客の声援と、興奮のどよめき、拍手に包まれた。
 トヨタ自動車有利の前評判どおり、開始早々の2分、15馬場が浮き足立つ九州電力DFの穴を突き、先制トライ。対する九州電力も12グレイが好判断と高いスキルでBKを引っ張り、11分11山口のトライを演出するなど前半序盤は互角の戦いを展開したが、前半の半ば過ぎから、トヨタはFWの分厚い攻撃と、9麻田、10正面を起点にしたBKのスピードで、九電を圧倒。13岩本、14内藤が連続トライ。前半終了間際には馬場がPGを決め、22-5で折り返した。

 力の差が感じられた前半だったが、後半、九電が息を吹き返した。後半開始早々から九電FWが奮起。トヨタのミスにも付け込み、3分にはモールを押し込み6松本がトライ。17分にも2谷口が跳び込むなど、ミスの目立つトヨタに対して、九電の正確で忠実なプレーが得点に結びつき、後半の半ばで22-19とトヨタを追いつめた。しかし、攻め続けたい九電を、トヨタ10正面が正確なキックで押し返し、逆に22分にはトヨタ18谷口がトライ。その後の九電の攻撃を、PG1本でしのいだ分厚いDFのトヨタが逃げ切った。

 トヨタの粘り強さと、九電の可能性を感じさせる好ゲームであり、徳島のラグビーファンに大きな感動を与えた80分だった。                  


(写真1 トヨタ前半追加トライ目前)


(写真2 トヨタ内藤カットインしてトライ)


(写真3 トヨタ前半馬場GKを決める。)


(写真4 前半で突き放したいトヨタ正面ゴール前まで迫る)


(写真5 後半開始早々九電松本のトライ)


(写真6 九州電力怒涛の進撃)


(写真7 九州電力谷口のトライで追い上げる)


(写真8 終盤近く九電22メートルライン付近で追撃)

◎ 会見レポート
【九州電力キューデンヴォルテックス 神田監督】
 前半は自分のチームのミスが多く、リズムに乗り切れなかったというのが本音である。トヨタの厚いディフェンスを崩すことができなかった。後半は、積極的に動けることができた。4試合を終わって手応えは感じている。ゲームを積み重ねるごとに成果は出ている。今後、修正して頑張っていきたい。

【九州電力キューデンヴォルテックス 川嵜キャプテン】
 特に、アタック面で点を取らなければ勝てないと感じていた。ディフェンス面よりも、アタックを中心にゲームを組み立てた。後半に崩れるというパターンが多かったが、今日は崩れることもなく、後一歩というところまで、ゲームを続けることができた。

(後一歩とはどういう内容か?)
神田監督:
 正確なプレー、ボディコントロール等いかに基本的なプレーに忠実に取り組むか。チームとして立て直していきたい。
(後半ゲームの流れを変えることができた理由は?)
川嵜キャプテン:
 前半は風が非常に強く、敵陣に行ったとしても、キッカーによる反撃が厳しかった。後半は、逆サイドになり、風も味方し、楽に試合運びができた。



【トヨタ自動車ヴェルブリッツ 石井監督】
 今日のゲームは、自分たちの良さを出し切れないゲーム展開であった。原因をつきとて、次の試合までにはよい内容を展開して、楽しんでいただけるようなムードを作っていきたい。

【トヨタ自動車ヴェルブリッツ 麻田キャプテン】
 前半は、プラン通り、風を利用し、また、相手の反則等により、ゲームを進めることができた。後半、キックプレーにより、自陣でプレーすることが多く、また、タックルミスもあり、チームとしてうまくいかなかった。今回の試合で、勝って反省できるというプラス面での成果はあった。次の試合まで1週間あるので、少しずつ修正していきたい。

(前半トヨタペースで後半そのままいくと思ったが、後半苦戦した原因はどこにあると思うか?)
麻田キャプテン:
 九州電力は、ノックオンやスローフォワード等のミスが少なく、正確なプレーをするチーム。相手がボールを持つと、なかなかボールを取り返すことができないので、苦戦した。反面、トヨタはミスが多かった。トヨタの守備面では、タックルのミスが多く、特に後半、ラインアウトからのミスが多かった。今後の修正が必要であると思う。
(良さを出し切れなかった所は?)
石井監督:
 現象面の背後にどういった理由があるのか、ポイントは今のところ何かわからない。今後、ゲームのビデオやミーティング等で考えていきたい。
(地方でゲームをすることで苦労することは?)
石井監督:
 移動面での体調を管理することが難しい。今後もいい状態で送り出してやりたい。
(監督は良さが出ないことについていわれたが、キャプテンとしてはどうだったか?)
麻田キャプテン:
 ディフェンス面での単純なタックルミス、基本的に反応が遅い。ボールキャリアが孤立する。今のところ、何でそうなるのかわからない。今後、修正していきたい。



(記事:徳島県協会 小林信行、写真:徳島県協会 坂田 和則)

(広報担当者:村島 博)