関西ラグビートップウェストAリーグ マッチレポート

 


トップウェストAリーグ順位決定戦マッチレポート

 


 トップウェストAリーグもリーグ戦を終了し、トップリーグへの昇格をかけた順位決定戦を迎えました。その第1回戦は、新年1月6日日曜日、全国高校大会の熱気の冷めない花園ラグビー場の第Tグランドに3000名近い観客を集めて、ホンダヒートと近鉄ライナーズの間で行われました。スコアは、以下のとおりです。

1月6日(日) 近鉄花園ラグビー場 14:00〜 KICKOFF
ホンダヒート
 12
7 - 22

5 - 20
近鉄ライナーズ
42

 この結果、1月12日に行われる第2回戦は、近鉄がワールドファイティングブルズに挑戦することとなりました。以下では、この試合のレポートを紹介します。


◎ マッチレポート
 近鉄の先蹴で開始されたキックオフ直後、いきなりのターンオーバーから近鉄が右展開、CTBマイレーが虚を突かれたホンダDFのギャップをすり抜けT(0-5)。Gも成功し、0-7と近鉄にとって最高の立ち上がり。
 ?リ・スタートのキックオフを確実にキャッチ後、自陣で果敢に前進を図る近鉄だが、そこに隙が生じる。3分、陣取りのキック合戦の末、近鉄のキャッチミスしたボールを右展開したホンダがT(5-7)。Gも決まり7-7。決してDFの出足は悪くない近鉄だが、ちょっとしたミスで、失点する悪癖は修正されていない。風上の利を生かし、前がかり気味の近鉄バック3を狙い、効果的なキックで陣を取るホンダ。トゥプアイレイの突破からゴール前に迫り、近鉄はたまらず反則。17分、正面のPGだけに加点確実とおもわれたが、引っ掛けて不成功。微妙にゲームの流れが近鉄に傾き始める。トンプソン、侍バツベイ、タウファの激しい当たりで突破を図る近鉄が、次第に接点で優位に立つ。加えて読みが的確な佐藤、トンプソンのラインアウトを起点に近鉄のペースとなり、前半の中盤以降ゲームを支配、22分、35分と連続トライでホンダを突き放す(前半終了7-22)。

 後半に入っても空中戦を制する近鉄の勢いは止まらず、4分にモールを押し込みT(7-27)。SO重光が、やや角度のあるGを確実に成功(7-29)。スタンドがどよめくほど、ポストど真ん中を打ち抜いたキックがゲームの大勢を決めた。
 FWの忠実なDFと力強いアタックが、SO重光、CTBマイレーのギャップを突くランニングと調和し、攻守にホンダを圧倒した近鉄がトップリーグチャレンジマッチの進出権と、ワールドファイティングブルへの挑戦権を獲得した。ゲーム半ば、リズムを替えるべくプレーヤーを激しく入れ替えたホンダに対し、インパクトプレーヤーSH金を交替出場させる場面も無いほど、狙いがズバリ当たった近鉄。明暗が鮮明に分かれたゲームの結果であった(12-42)。

 なお、ホンダ、近鉄が生き残りを賭けたタイトな対決を、織田信次レフリーの冷静なマッチメークが、反則数も比較的少なくシンビン・退場もないクリーンかつエキサイティングな試合とした一つの要因であったことを特に付記しておきたい。


(写真1 近鉄マイレー先制のトライ)


(写真2 近鉄FW一丸となってサイドアタック)


(写真3 突破を図る近鉄タウファ)


(写真4 近鉄侍バツベイの強力な前進)


(写真5 クラウチするホンダのスクラム、織田レフリーのコールを待つ)


(写真6 ホンダ三木大きく展開を図る)


(写真7 ホンダの高いラインアウト)


(写真8 近鉄FWの固いパック)


(写真9 ホンダ素早いサイドアタック)


(写真10 ホンダのラインアウトにからもうとする近鉄DF)


(写真11 近鉄勝利を信じてダイブ)

◎ 会見レポート
【ホンダヒート クリス ミルステッド監督】
 リーグ戦とは違って次の試合がないというプレッシャーなのか、前半スタートの テンポが良くなく、流れがつかめなかった。ラインアウト、ディフェンスとも出来 が悪く、欠点が集中して出たように思う。
 ホンダは、リーグ戦で勝っている近鉄ではなく負けたワールドと戦って勝ちたい という思いの方が強く、選手に注意はしたのだが、それが、ホンダに雪辱を期する近鉄とのモチベーションの差となり、ホンダとしては、中途半端になってしまったように思う。
 我々としては、結局、昇格して勝ち進んでいくための準備ができていなかったのだ。 選手個人が役割をしっかりと意識して、チームプレーをすることが大切だと思う。 来年に向けてよい経験になった。

【近畿日本鉄道ライナーズ 中谷 誠 監督】
 立ち上がりの得点が効果的だった。ボールキープを意識し、ホンダCTBトゥプアイレイのマークがしっかりでき、結果、ホンダの強みを封じたことが奏功した。ラインアウト分析も有効に活かすことができ、かなりのプレッシャーをかけられた。リーグ戦で惨敗した結果を受け、1対1のDFを修正できたことがなにより大きい。リーグ戦後の合宿で、チーム力が飛躍的に上がった。ワールド戦も今日とやることは一緒。ライナーズのラグビーを信じてプレーするだけだ。

(記事:廣島治、長澤孝哉 写真:長谷川昭男)

(広報担当:村島 博)