ジャパンラグビー2007トップリーグ マッチレポート(神戸)

 


2007トップリーグ第11節マッチレポート(神戸)

 


 トップリーグ第11節、1月19日土曜日、午後1時から、神戸市のホームスタジアム神戸で、神戸製鋼コベルコスティーラーズ VS リコーブラックラムズの一戦が、この日も6000人近い観衆を集めて行われました。この試合のレポートをお伝えします。まず、試合の結果は以下のとおりです。

1月19日(土) ホームスタジアム神戸 13:03〜 KICKOFF
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ

26
21 - 0

5 - 17
リコー
ブラックラムズ

17
◎ 神戸製鋼コベルコスティーラーズ vs リコーブラックラムズ マッチレポート
 神戸製鋼の先蹴で始まったゲームは、神戸製鋼の連続ラッシュで一気に動く。 2分、リコーゴール前5mラックより左展開、SOホラが強引に突っ込みゴールポスト 下へT(GK成功7-0)。前節のゲームに比べ、接点でのFWの集散が速い神戸製鋼だが、その後はケアレスミスでチャンスを潰す。その中、6ゲームぶりにスターティングメンバーに名を連ねる神戸製鋼SOホラが積極的にチームを動かす。HO村上、NO8伊藤はFWをリードし、抜群のボディーコントロールを伴い、しばしばゲインラインを突破するが、肝心のところでチャンスを潰す。手数は多いが、相手にダメージを与える前に反則を取られる神戸製鋼といったところか。リコーも負けずに積極的なオープン攻撃を展開するが、神戸WTB大橋の見切りがズバリ当たり、ゴール前で止められる。一進一退の状況を打ち破ったのは神戸製鋼、34分リコー陣左中間22m付近ラックからキックされたボールをWTB大橋がチャージダウン、こぼれ球をそのまま押さえT(GK成功14-0)。その後も肝心な場面でケアレスミスを繰り返す神戸製鋼だが、それをチャンスに変えられないリコー。前半終了間際の40分、左中間ゴール前ラックより右展開、ホラの突破からCTB高倉につなぎT(GK成功21-0)。神戸製鋼が理想的な形で前半を終える。

 後半、交替出場したWTBロコツイの突破が、流れをリコーに傾ける。6分、PKか ら得たラインアウトを押し込み、FL6相がT(GK不成功21-5)。FW3名を入替、モールを優位に進めるリコーに対し、SOホラの動きが効果的な神戸製鋼。膠着状態が続く中、16分カウンターアタックからグラウンドをワイドに使う神戸製鋼のパスをリコーCTBL金澤がインターセプト、走りきって右隅にT(G不成功21-10)。前半のタックルオフサイドを修正したリコーが、DFの押し上げを起点にゲームの流れを引き寄せる。アタックを繰り返すも、ゴールラインを割れない神戸製鋼だったが、25分 リコーゴール前ラックからのSOキックを神戸製鋼FLFブラッキーがチャージダウン、こぼれ球をそのまま押さえラッキーなT(GK不成功26-10)。
 ようやくボーナスポイントを獲得し一息ついた神戸製鋼に対し、勝ち点獲得を狙うリコーは猛攻を繰り返す。交替出場のNO8カウヘンガの突破から前進するリコーだが、ここ一番で神戸製鋼SH後藤のタックルにチャンスを潰される。35分、神戸製鋼陣内右5mスクラムより左展開、WTBロコツイがハンドオフでDF3人をかわしT(GK成功26-17)。なおも猛追したいリコーだったが、モールプレーで時間を使う神戸製鋼が逃げ切りノーサイド。マイクロソフトカップ進出に是非とも欲しかった5ポイントを獲得できた神戸製鋼に対し、1ポイントも獲得できなかったリコー。両チーム2ゲームを残し、この試合の明暗が及ぼす大きな影響を予感させる結果となった。


(写真1 神戸BKアップテンポの前半)


(写真2 神戸ブラッキーの突進)


(写真3 神戸ホラ先制のトライ)


(写真4 リコーモールドライブから展開)


(写真5 リコー神戸ブラッキーに懸命のDF)


(写真6 神戸後藤キャプテンの鋭い出足)


(写真7 リコー、フェレラ神戸のステップに対応)


(写真8 神戸鋭いチャージダウンで流れを掴む)


(写真9 リコー後半の流れを変えたロコツイの突進)

◎ 会見レポート
【リコーブラックラムズ 佐藤寿晃 監督】
 沢山の応援の方々に感謝したい。それと今集まっていただいている大勢の記者の方達にも(笑)。神戸製鋼はペナルティーからの仕掛けが早く、そのテンポに合わせてしまい前半は自分たちのゲームプランが出来なかった。後半は神戸製鋼の足が止まってきたのでこちらのプランどおりに得点出来たが、後もう一押し足りなかった。残り2戦をとにかく頑張りたい。

【リコーブラックラムズ 伊藤鐘史 キャプテン】
 良いスタジアム、沢山の観客の中で試合が出来て楽しかった。神戸製鋼はブレイクダウンが強いのでそこを意識したが、FWが頑張ってくれた。今日の自信が過信にならないように気持ちを切り替えて次戦に臨みたい。3敗した時点から、トーナメントの気持ちで戦っている。残り1戦1戦を大事に戦っていきたい。

(ゲームプランについて?)
佐藤監督:
 前半、FWはモールに重きを置いた。その結果、僅差で折り返すころができ、後半はカウヘンガ、ロコツイを投入しスピードある攻撃を重視した。後半は2人のランナーが機能しチームもそれにマッチしていたが、前半あまりにも敵陣で攻める時間が短かった。

(ブレイクダウンでのターンオーバーが多かった点については?)
伊藤キャプテン:
 前の試合後から特別なことは行ってない。春から行ってきたことの結果だと思う。

(ハーフタイムでレフリーと話していた内容は?)
伊藤キャプテン:
 ブレイクダウンでゲートから入れずオフザゲートが多かった点についての話。また自分たちのチャンスのマイボールラインアウトで相手が空中でプレッシャーをかけていた点について話した。とにかくレフリーとコミュニケーションを取りたかった。



【神戸製鋼コベルコスティーラーズ 平尾誠二 総監督】
 とりあえず、当初の目的である勝ち点5が獲れて良かった。リコーは入替戦も懸かっているのでモチベーションも高く、楽なゲームではないことは予想していた。こちらのミスで最初にもたつき、ペースを掴めなかった点は修正したい。残り1試合1試合を4トライ以上で勝つことがチームの目標なのでそれに向けて頑張りたい。

【神戸製鋼コベルコスティーラーズ 後藤翔太 キャプテン】
 前半はとにかく自分たちのやりたいことが出来た。前半のアップテンポによる疲れで、後半はガス欠状態だった。でも自分たちのやりたいことが見えたのが収穫。今後はそれを80分間継続出来る体力、クリアな頭が必要なので、意識していきたい。

(ホラのスタンドオフの先発起用について?)
平尾総監督:
 うちのチームはスタンドオフを選ぶのは非常に難しい(笑)。その中でロイスのけがにより外国人2名枠の兼合いもあった。ディフェンスは彼は厚みがあり安心。FWのセットプレーの強みも彼を選んだ要因だ。

(トヨタ戦以降特に何か変わったことはあったか?)
後藤キャプテン:
 特にミーティングを増やしたとか特別変わったことはしていない。あの試合は神戸製鋼が全否定されたゲーム。悔しかったが何が足りないかが見えた。自分達が出来るのは残り3試合に向かって行こうということで、チームが一丸となれた。気持ちの切り替えが出来て思い切って試合が出来た。

(チャージでのトライの要因は?)
後藤キャプテン:
 接点でのプレッシャーを80分間かけ続けられた結果だと思う。



(レポート:廣島治、会見記録:藤本英一、写真:長谷川昭男)

(広報担当者:村島 博)