ジャパンラグビー2007トップリーグ マッチレポート(花園)

 


2007トップリーグ第11節マッチレポート(花園)

 


 トップリーグ第11節、1月20日土曜日、午後1時から、近鉄花園ラグビー場で、サントリーサンゴリアス VS クボタスピアーズの一戦が行われました。この試合のレポートをお伝えします。まず、試合の結果は以下のとおりです。

1月20日(日) 近鉄花園ラグビー場 13:00〜 KICKOFF
サントリーサンゴリアス
24
5 - 7

19 - 7
クボタスピアーズ
14
◎ サントリーサンゴリアス vs クボタスピアーズ マッチレポート
 時おり氷雨のふる花園ラグビー場、サントリーの先蹴で幕があがった。立ち上がりの7分、サントリーが相手ゴール前右35?からのPG不成功。クボタのディフェンスが非常に強く堅いので、手堅くゲームをすすめるように感じられたサントリー、12分に相手陣45?中央ラックからH-I-Mと北條が右隅にトライ、これで波に乗るかと思われたが、やはりクボタのディフェンスは崩れない。逆にクボタが22分相手ゴール前35?付近ラックから右へH-Iから内のEへリターンK-Mとつなぎ根岸が左中間にトライ、ゴールも決まって7-5と逆転。クボタは25分、35分とDGを試み、前半なんとか点差を引き離したいが不成功、7-5のまま折り返す。

 後半の6分、ゴール前左中間ラックから、サントリーH田中が右に回りこみトライ、8分にも小野澤が左隅にトライで突き放すかに思えたが、やはりクボタのディフェンスは崩れない。逆に11分にゴール前15?でF岩上がキックをチャージし、こぼれ球をH茂木が左中間にトライ、その後サントリー、クボタともにチャンスはあるものの、相手の好ディフェンスと自らのミスで取りきれない、ようやく23分にサントリーが相手ゴール前ラックからQ早野が持ち出しトライ、ボーナスポイント獲得の4トライ目をあげて一息ついた様子、しかしその後もクボタのディフェンスに阻まれ追加点は上げられなかった。
 サントリーBK陣が何度か切り込むが相手を仰向けに倒すクボタの猛タックルが随所にみられスタンドを沸かせた。前節のサニックス戦の敗戦から見事にチームを立て直したクボタのディフェンスが、「らしさ」のないサントリーに対して際立ったゲームであったが、勝負どころの自力の差でサントリーが勝利したといった感のゲームであった。


(写真1 サントリーBKに執拗なDF)


(写真2 サントリー素早くサイドを衝く)


(写真3 クボタ、ケフ雨の中確実なハンドリング)


(写真4 クボタ前に出るDFが冴える)


(写真5 ニコラスへクボタ、ダブルタックル)


(写真6 クボタFW大きく展開を図る)


(写真7 双方高いラインアウトの競り合い)


(写真8 サントリーFWモールドライブへ)


(写真9 サントリーニコラスに渾身のタックル)


(写真10 クボタDFボールキャリアに集中)


(写真11 サントリー大久保キャプテンDFを引きずって前進)


(写真12 サントリー小野澤後半ダイブ)

◎ 会見レポート
【クボタスピアーズ 山神監督】
 あいにくの雨で寒い中、多くの声援をいただき感謝している。ナイスゲームができたと思っている。「このあたりで勝ちが欲しい」と甘くなったディフェンスを建て直し、このチームの原点に返ったと思う。ミスといえば前半はモールを押し込こまれてサイドが甘くなった時くらいでそれ以外は特になく、後半はスクラムなどで少し差はあったものの、サントリーがやってくることはわかっており、オフロードのところで何処でタックルに行くかも決めていた。ゲーム運びに問題はなかった。苦しい場面を最後まで好タックルでしのいで…「こういうゲームが出来るんだ」と思った。残りのゲームは残留のかかった大切なゲーム、それに臨むためにもよくやったと思う。

【クボタスピアーズ 鈴木キャプテン】
 サニックス戦は相手のプレッシャーで気持ちが後向きになっていた。今日のサントリー戦は気持ちの部分で前向きに向かって最後までプレーすることができた。後半に入ってサントリーはゲーム運びが上手いと感じた。残りのゲームも今日の気持ちをベースにチェレンジしていき頑張りたい。

(今季のクボタは勝てそうで勝てない理由は?)
山神監督:
 ディフェンス中心にチームをつくり、昨年までにはないアタック、特に個人のアタック力を向上させようとしたが時間がなかった、またケフやマクイナリも研究されていた、相手に取られないようにはなったが、取る所を引き出せなかった、時間的なことも含めて私のミス。

(サントリーのゲーム運びの上手さとは?)
鈴木キャプテン:
 ゲームの中での集中するところ、ここで取るという所でのコミュニケーションでうちより上回っている。



【サントリーサンゴリアス 清宮監督】
 タイトなゲームだった。クボタさんも先週サニックスさんに負けていて、チームが一つの課題にフォーカスでき良い状態だったと思う。クボタのプレッシャーを受けて前へ出られなかったのが4トライに終わった原因、5ポイント取れたことを良しとして来週のゲームにのぞむ。残りのゲームを苦労して勝つ事でマイクロソフトカップに向けていいチームになると思う。

【サントリーサンゴリアス 大久保キャプテン】
 監督が言われたようにクボタさんのひたむきなタックルで前へ出られず苦しい中にもなんとかトライを取れたことで次につながるゲームが出来たと思う。

(前半5−7で折り返したハーフタイムの指示は?)
清宮監督:
 1対1で負けているのでもっと前へ出る、あと風上になるので攻めていく。

(4トライを取ったあともゴール前まで攻め込みながら取れなかったのは?)
清宮監督:
 ゴールに近づけば近づくほど相手のディフェンスの意識も高まる、そこでどんな形でも取っていければ一番いいのだろうが…。



(記事:廣島治  写真:長谷川昭男)

(広報担当者:村島 博)