トップチャレンジ シリーズ第1節 マッチレポート(花園)

 


トップチャレンジ シリーズ第1節 マッチレポート(花園)

 


 トップリーグ昇格と入替戦への進出を賭けて3地域の代表が覇を競うトップチャレンジシリーズ第1節の2試合が、1月27日、日曜日、近鉄花園ラグビー場で行われました。
 リーグ2位同士の間で行われるシリーズ2は、ワールドファイティングブルと中国電力、1位同士のシリーズ1は近鉄ライナーズとマツダの試合、以下、そのレポートをお伝えします。
 まず、試合の結果です。

1月27日(日) 近鉄花園ラグビー場 12:00〜 KICKOFF
ワールドファイティングブル
112
52 - 0

60 - 0
中国電力
0
1月26日(日) 近鉄花園ラグビー場 14:00〜 KICKOFF
近鉄ライナーズ
54
26 - 0

28 - 13
マツダ
13

 九州勢をともに退けたワールド、近鉄の両チーム、次は2月10日の第3節、東京秩父宮ラグビー場で関東勢と対決することになっています。快進撃が続くことを期待しましょう。

◎ トップチャレンジ2 ワールドファイティングブル VS 中国電力 マッチレポート
 強風の中、風下のワールド先蹴でゲーム開始。ファーストコンタクトで、接点でのキープ力の違いを見せ付けるワールドは、4分ゴール前ラインアウトよりモールを押し込み、NO.8真羽がT(5-0)。7分にはゴール前20mラックから左展開、最後はHO本多が左隅にトライ(G成功12-0)。ここから堰を切ったようにワールドのトライラッシュが始まる。その原動力は力強く前進するFWと、能力の高いBKの舵取りを務めるSOウエブ。BKのコントロールのみならず、ウエブも自ら中国電力ラインの間隙を抜け、トライの山を築く(前半終了52-0)。

 接点で劣勢の中国電力は、後半に入り、出足の早いDFでワールドのチャンスを潰そうとするが、ワールドの勢いを止めることができない。FW戦でも、NO.8庄島が力強いボールキープを見せるも、後が続かずチャンスを生かせない。結局18T、11Gの猛攻でワールドが112-0で中国電力に圧勝した…が、ワールドにとっては、BKが抜けた後2対1の場面でしっかり取りきれないケースが2度、ノックオンやスローフォワードのケアレスミスが点差の割に見受けられる等、プレーの精度を上げることが次戦への課題として明確になったゲームでもあった。


(写真1 ワールド、スタワーズ前へ)


(写真2 ワールドBK、FW一体の攻撃)


(写真3 ワールドBKの舵取りウェブラインブレイク)


(写真4 ワールドFWの前進を必死に阻む中国電力)


(写真5 ワールドFWの優勢)


(写真6 ワールドトライを量産)


(写真7 ワールドの強いコンタクトプレー)


(写真8 中国電力の攻撃も攻めきれない)


(写真9 中国電力、持ちこたえるフロントロー)

◎ 勝利監督のコメント
【ワールドファイティングブル 南英雄 監督】
 今日の試合は、BKのコミュケーションなど、プレーの精度を上げるための戦いと思っていた。大量得点ではあるが、逆にこのくらいはとって欲しかった。相手のある試合でミスは当たり前、ミスの数を直前の近鉄戦より少なくすることを目標にした。相手のプレッシャーを受けながら五分五分のリスクで通そうとするいわゆるフィフティー・フィフティー・パスのミスは少なかったが、競ったディフェンスの機会が少なく低いタックルがなかった。そこで後半、一発で倒すことを指示した。
 選手にもプレッシャーはあったと思うが、切り替えをしなければいけない、よく戦ってくれたと思う。次のセコム戦に向けて、万全の準備をしたい。



◎ トップチャレンジ1 近鉄ライナーズ VS マツダ マッチレポート
 強風且つ小雪の舞う中、風下の近鉄先蹴でゲーム開始。出足で勝る近鉄だが、手先がかじかむのか、ハンドリングエラーが目立つ。しかしながら、マイレー、四宮と攻勢のFWに後押しされ、効果的なゲインを繰り返す。5分マツダゴール前5m左中間スクラムを押し込んだ近鉄、最後はNO.8タウファがポスト下に飛び込みT(G成功7-0)。FW戦で圧倒する近鉄に対し、ラインアウトミスを繰り返すマツダ。自陣に釘付けとなりFW戦の劣勢そのままに点差をジリジリと広げられる。(前半26-0)

 後半に入り、前半終了間際から、NO.8トンガを核に、前進しだしたマツダは、開始直後の2分PGを返し反撃に転じる(26-3)。過去2年の悪夢がよぎる近鉄を救ったのは、やはりFW。9分マツダボールを奪ったLOD侍バツベイを起点に、左右に揺さぶり、最後はマツダゴール前20m中央ラックより、CTBイエロメ→WTB坂本と繋いだ Tで勝負の大勢を決した(G成功33-3)。その後、集中力をやや欠いた近鉄の間隙を突き前進するマツダであったが、いかんせんFW力の差は歴然、54-13のスコアで近鉄の軍門に下った。

 この結果、過去2年トップチャレンジ1での連敗を4で止めた近鉄が、3年ぶりのトップリーグ復帰を大きく引き寄せた。


(写真1 マツダFWの前進を近鉄DF)


(写真2 マツダ攻撃の起点トンガ)


(写真3 近鉄FW厚いサポートで前へ出る)


(写真4 近鉄タウファ、マツダトンガの8対決)

(写真5 近鉄タウファの突進)


(写真6 近鉄トンプソン巧みなオフロードパス)


(写真7 近鉄侍バツベイの突破力)


(写真8 縦を突くマツダ)


(写真9 雪中のラインアウト、サポートに入る)

◎ 勝利監督のコメント
【近鉄ライナーズ 中谷誠 監督】
 生みの苦しみという言葉があるが、この一勝を得るのにどれほどしんどい思いをしてきたか今改めて感じている。今日の試合、FWで戦うことは決めていた。ワールド戦以降も一日一日を大事にし、選手にはタガが緩まないよう、試練、心の強さを強調してきた。
 マツダによいトライをされているが、これは慢心に陥らないための戒めだと思う。反省するところはもう一度引き締めて2月10日の試合で決めたい。そして、日本選手権の場でチームの真価を発揮したいと思っている。

(記事:廣島治  写真:長谷川昭男)

(広報担当者:村島 博)