ジャパンラグビー トップリーグ2008-2009 マッチレポート

 


ジャパンラグビートップリーグ第6節(花園)

10月25日(土) 近鉄花園ラグビー場 14:00〜 KICKOFF
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ

27
19 - 7

8 - 10
クボタ
スピアーズ

17
◎ 神戸製鋼コベルコスティーラーズ VS クボタスピアーズ  マッチレポート
 前節に近鉄を下し調子を上げてきた神戸製鋼(4勝1敗、勝点18)が、同じく前節コカ・コーラをダブルスコアで下して波に乗りたいクボタ(3勝2敗、勝点14)を迎えて行われた一戦。クボタは今季花園初登場、スタンドにライトブルーが映える。神戸製鋼は、前節同様ベテランの小泉、伊藤、元木を先発メンバーに起用。クボタはSHに笠倉を用いた以外は、前節のメンバーと同様の布陣。

 試合が動いたのは前半4分。HWL付近左中間スクラムから、クボタH→I→JWTB根岸とつなぎ左隅にあっさりトライ、ISOドゥラームのGKも決まり(0−7)、クボタが前節の勢いを駆って滑り出した。その後、神戸製鋼もクボタゴールに再三迫るがラックからの球出しに時間がかかりクボタディフェンスを破ることはできず得点には至らない。前半17分、23分と双方の選手に危険なプレーでシンビンが科せられ、ともに14人となった中盤から次第にクボタFWの足も重くなり試合は神戸製鋼のペースに。26分、ラックから左展開、つないで最後LCTB山本がゴールを割りGKも決まり(7−7)、その後33分スクラムサイドを突いてHSHキャプテン後藤、40分にはJWTB陣川と続けてトライを決め(19−7)、神戸製鋼リードで前半を折り返した。

 後半、先手を取ったのはクボタ。3分SOドゥラームがPGを決め(19−10)とするが、神戸製鋼もすかさず、FBデルポートのPG(22−10)で応酬。11分には神鋼ゴール直前のラックからMホラがねじ込むようにしてトライ、突き放しにかかるが、今度は22分クボタも8ケフがラックから持ち出してトライ、SOドゥラームのGKも成功して(27−17)追撃にはいる。しかし、中盤以降は両チーム、高いディフェンス力でともに譲らず、結局、神戸製鋼が27−17でクボタを下し、5勝1敗、勝点を24と伸ばした。クボタは惜しくも勝点を挙げることができなかった。

 神戸製鋼の勝因はまずベテラン陣の奮闘。身体を張ってゲインラインをきり若手につなぎ陣を進めるという戦術が勝利を呼び込んだ。しかし、何時までもベテランに頼るわけにはいかない、若手選手の一層の活躍に期待したい。
 なお、マンオブザマッチには神戸製鋼AHO松原祐司選手が選ばれた。

  

  

  

  



  



◎ 会見レポート
【クボタスピアーズ 佐野 順ヘッドコーチ】
 残念な結果となってしまった。後半積極的なアタックをみせ、良かっただけに尚更である。
 ここまでのリーグ戦で、ファウルプレーが多かったため、規律遵守、具体的にはペナルティーやシンビンが無いように努めてきたが、今日もシンビンを受けてしまった。(23分 NO.8ケフ)
 試合は、ブレイクダウンの勝負と予想していたが、神戸製鋼の当たり強さに屈してしまった。とはいえ、シーズン後半に向けて戦い方に光明を見出したので、次に備えたい。

【クボタスピアーズ 鈴木 力 主将】
 ブレイクダウンで神戸製鋼に強いプレッシャーを受け、劣勢に回ってしまった。ラインアウトでの度重なるミスも痛かった。小さなミスの積み重ねが敗因につながっており、これからウインドウマンスの一ヶ月間をかけて修正したい。

(後半早々、4分に外国人プレーヤーを入れ替えた点(FLヒッキー→FBマクイナリ)について?)
佐野HC:
 前半劣勢だったので、攻撃のオプションを増やす意味で入れ替えた。ヒッキーも地味ながら味のあるプレーをするのだが、得点力アップを狙いマクイナリを投入した。



【神戸製鋼コベルコスティーラーズ 平尾ジェネラルマネージャー兼総監督】
 前半戦最後のゲームであったが、いろいろな意味でここまでの目標を達成した感がある。細かいミスもあるが、チームは良い方向に進んでおり、怪我人が復帰すれば、チーム力はさらに上がる。
 今日のゲーム内容については、詰めを間違えなければもう少し加点できた。具体的に言えば、ラストパスやトライにつながる最後のプレー選択時に余裕がない。ボールの奪取率は上がっているだけに、得点能力を上げていかないと、上位に浮上できない。ここが課題である。
 怪我人がチームに戻った際のコンビネーションの調整等、まだまだ課題は多いが、福岡サニックス戦の敗戦を糧に次のステップにつなげたい。

【神戸製鋼コベルコスティーラーズ 後藤 翔太 主将】
 得点能力の高いキーマンを封じることに主眼を置いたゲーム運びを目論み、やるべきことをやった結果、勝利をもぎ取った。フィニッシュで細かいミスもあったが、総じて激しくコンタクトでき、次につながるゲームだった。1ヶ月間、課題を克服し、ビルドアップして次節に備えたい。

(CTB元木選手のプレーについて?)
平尾GM:
 今日は戦列復帰後2戦目だったが、予想以上にフィットネスが良かった。交替(後半7分)については、若干早いとも思ったが、ほぼ予定通りの時間帯であった。堅実なプレーで、チームに安定感と勢いを与えてくれている。

後藤主将:
 タフな精神力を持ち、ゲーム状況が厳しい時にメンバーを鼓舞できる素晴らしいプレーヤー。チームに対する愛情に溢れており、一緒にプレーすることが楽しい。





(記事:山林右二、廣島治 写真:長谷川昭男)

(広報担当者:村島 博)