ジャパンラグビー トップリーグ2013-2014

 


1stステージ 第3節 プールB マッチ・会見サマリー
(長居)

9月14日(土) 17:00Kick Off
15 -  0
19 - 14
近鉄ライナーズ
34
コカ・コーラウエストレッドスパークス
14

◎ 近鉄ライナーズ VS コカ・コーラウエストレッドスパークス マッチ・サマリー
 第2節を終了してまだ勝ち星のない2チーム、昨シーズン第7位の近鉄と降格後1年でトップリーグに復帰したコカコーラウエストとの戦いは、接近する台風18号の影響による強風にもかかわらず長居スタジアムを訪れた5,000人近い熱心なファンに見守られ、コカコーラウエストのキックオフで開始された。

 開始直後から再三コカコーラウエストのゴール前に迫るものの決め手を欠き得点できないでいた近鉄は、前半10分に相手のラインオフサイドで得たペナルティからSO10番重光が慎重にPGを決めて先制した(3-0)。その後も近鉄はセットプレイ、エリアマネジメントで優位にゲームを支配し、SH9番金が24分、40分に連続してトライをあげ、15-0として前半を終えた。

 後半開始直後の4分、コカコーラウエストは左WTB11番江藤の突破からつかんだゴール前5mの左ラインアウトからFWがモールを押し込み、最後はFL6番キングが左隅に押さえてトライ、逆襲を開始した(15-7)。さらに7分には、相手ラインアウトを奪い、ハーフウェイ中央のラックから右に展開して、パントをFB15番川口が右中間に押さえコカコーラウエストが15-14と1点差に迫った。しかし近鉄は直後の11分にゴール前で連続してボールを確保して、最後はFB15番高が左中間にトライ(20-14)。さらに戦術的入替により左WTB23番ギア、左LO20番サモを投入してコカコーラウエストを突き放しにかかる。インパクトプレイヤーの効果的な投入で、近鉄は後半24分にゴール直前の左中間ラックよりサモが、27分には10mライン付近から大きく右展開したボールを7番タウファからギアに繋いで立て続けにトライをあげ、この試合の勝利を決定づけた(34-14)。コカコーラウエストはエリアマネジメントで近鉄に圧倒され、さらにラインアウトが思うように獲得できないなど、持てる力を発揮できなかった。一方の近鉄もボールや地域の支配でコカコーラウエストを圧倒したにもかかわらず、思ったように得点できていない。こういった点を修正できなければ、両チームとも今後の上位チームとの対戦で苦戦は強いられることとなろう。

 MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は、堅実なゴールキック、さらに再三にわたり好ディフェンスを見せた近鉄10番重光泰昌に贈られた。














◎ 会見サマリー
【コカ・コーラウエストレッドスパークス 山口智史 監督】
 今日は素晴らしいグラウンドで、初めての大阪でのトップリーグ、嬉しく思います。結果として厳しい状況だが、残りのシーズンもあるので、次に向かって頑張りたい。

【コカ・コーラウエストレッドスパークス 豊田将万 キャプテン】
 トップリーグ3戦目でターゲットだった近鉄に完敗して、自分達のレベルではまだまだトップリーグでは通用しないと改めて感じた。課題は明確になっているので、修正していきたい。

(通用しなかった、近鉄との差を感じたことは・・・)
豊田:特に差は感じなかったが、我々は我慢するところで我慢が出来ず、近鉄は我慢して点を獲った。その差が大きかった。

(展開を意識したラグビーをしていたように思うが、現時点では勝つことよりもスタイルを貫くことを優先しているのか?)
山口:自分達が一年間取り組んできたスタイルでトップリーグを目指したが、結果が出ていないので、その責任は私にある。選手は努力してくれている。理想は展開ラグビーでアタックできるラグビーだ。



【近鉄ライナーズ 前田隆介 監督】
 やっと勝たせてもらった、ホッとしている。前半から我々が得点に結びつけるエリアで獲り切れず苦しみ、獲り切る力がまだまだ足りないと感じた。しかし、ゲームを追うごとにコミュニケーションもとれて得点に結びつけることができるようになってきた。特に後半は、インパクトプレイヤーの投入等プラン通リで、選手達もよくチャレンジしてくれた。まだまだシーズンは続くので、反省は沢山あるが次の試合までに準備して臨みたい。

【近鉄ライナーズ 太田春樹 キャプテン】
 1、2節苦しい戦いで結果が出ず、結果として勝てて良かった。課題を克服して、もっともっとライナーズらしいラグビーをお見せしたい、一週間空くが、2週間良い準備して次に臨みたい。

(前半得点が入らなかった原因は?)
太田:勝負どころのミスが多かった。得点エリアでのミスが多く、ここは課題だと思う。

(中井選手の不幸があり、気持ちを聞かせてほしい)
前田:一戦目のキンチョウスタジアムの試合からタイトなトップリーグが始まり、中井はいなくなったが、彼の魂は残っているので、彼の思いを込めて勝ちたかった。二試合苦しい試合が続いたが、今週やっと勝てて良かった。
太田:チームにも、彼のために、彼と共に闘うという個々の思いがあり、今日は勝てて良かった。彼も喜んでくれていると思う。トップリーグでの一勝に彼と共に祝杯をあげたい。




[敬称略]
(記事:蜷川善夫、石川悟、玉川育夫 写真:長谷川昭男 広報担当:村島博)