関西大学Aリーグ

 


関西大学ラグビーフットボールAリーグ開幕

 9月29日の日曜日、まだ暑さの残る晴天の下で、大阪市の鶴見緑地球技場と京都市の宝ヶ池公園球技場の2か所に分かれて、2013年の関西大学Aリーグの闘いが始まりました。結果は、Aリーグに今シーズン返り咲いた関西大学が古豪近畿大学を破り、大阪体育大学がリーグ連覇を続ける天理大学をヘラクレスの異名をとるFWのパワーでねじ伏せ、京都産業大学が昨シーズン3位の関西学院大学を破り、同志社大学が昨シーズン2位の立命館大学を前半同点で折り返すまで追い詰める波乱含みの内容でした。
 今シーズンは、各校の力が接近し拮抗する状態だということは、全ての関係者が指摘するところですが、これからの熱い戦いに、さらに一層ご注目ください。以下で第1節全4試合の模様をレポートします。


9月29日(日) 12:00Kick Off 鶴見緑地‐第1試合
近畿大学
32
10 - 12
22 - 24
関西大学
36

◎ 近畿大学 VS 関西大学 マッチ・サマリー
 昨季4位の近畿大学と32年ぶりにAリーグ復帰した関西大学の開幕戦、近畿大のKOで始まる、11分に関西大が自陣30mラックから右へ展開し14番岩城大祐が右隅に先制トライをあげる。近畿大はゴール前ラックのボールをターンオーバーしモールを形成し10番渡邊真人がトライ、ゴールも決まり7‐5と逆転。その後は両チームともトライを挙げ10‐12で関西大がリードして折り返す。

 後半の1分、関西大はゴール前ラインアウトから上手くマークを外し、4番辨天耀平の前が開きゴールへ飛び込む、その後関西大のペースでゲームは進むが、ようやく近畿大らしさが出たのは21分、ゴール前中央ラックから15番小中将が右中間にトライ、22-24と追い上げるが先手を取った関西大に一歩及ばなかった、関西大は記念すべきリーグ昇格の初戦を勝利で飾った。

 近畿大はスクラムで優位に立っていたのでここで崩したかったが、ミスでチャンスを逃してしまう場面が多く100%の力を発揮できなかった、対する関西大は初戦とは思えない落ち着いた戦いで、ボールを大きく動かし、DFでは出足の鋭いタックルで近畿大を苦しめた。









9月29日(日) 14:00Kick Off 鶴見緑地‐第2試合
天理大学
31
 7 - 20
24 - 17
大阪体育大学
37

◎ 天理大学 VS 大阪体育大学 マッチ・サマリー
 関西リーグ4連覇を目指す天理大学、突破力のある13番トニシオ・バイフを中心に外国人選手の活躍が期待される、一方、大阪体育大学は、竹内擁騎主将をはじめとするFW第3列の機動力を中心にFWのパワーでプレッシャーをかけたい。

 試合は、前半7分に大体大がゴール前中央20mのラックから左隅にトライ、その後も20、24分と立て続けにトライを奪い0-15とリードする、天理大も33分ゴール前左中間ラックから7番梶間歩がゴールポスト左にトライするが、大体大は40分にPGを手堅く決め7‐20とリードして前半を終える。

 後半も大体大ペース、3分にPGを決め、その後も7分、15分とトライをあげ、7‐37と大きくリードする、天理大は25分にようやく「らしさ」をみせる、FWの機動力が大体大を上回りBKにいいボールが出はじめる。13番バイフのトライを皮切りに、33分に12番忽那幹太、36,39分にジョシュア・ケレビが立て続けにトライで追い上げるが、一歩及ばなかった、大体大FWがスクラムを中心に圧倒し、天理大FWの機動力を封じたことが勝因と言える











9月29日(日) 12:00Kick Off 宝ヶ池‐第1試合
関西学院大学
19
14 -  6
 5 - 24
京都産業大学
30

◎ 関西学院大学 VS 京都産業大学 マッチ・サマリー
 人工芝を全面改装した宝ヶ池球技場の開幕戦に好ゲームを期待するラグビーファンが集い、入場者数は5,500人を越えた。第1試合は、風下の関西学院大学キックオフにより開始される。地元の期待に応えるべくキックオフ直後より果敢にアタックを重ねる京都産業大学。開始10分まで関学陣でフェイズを重ねるが関学ディフェンスに阻まれトライまでには至らず関学BKにキックで押し戻される。一方、関学もラインアウトにミスがあり自分達のペースでゲームを進められずゲームは一進一退を繰り返す。その中、関学が25分に京産のオフサイドにより自陣でペナルティを得てタッチキックで押し戻し、そのラインアウト直後のモールより9番徳田健太のパントキックで京産陣22m付近まで前進。フェイズを重ね13番水野俊輝が右端より走り込みゴール中央にトライ・ゴールも決まり7-0。リスタートのキックオフ直後、関学のオフサイドにより10m付近中央でペナルティを得て、15番山下楽平がペナルティゴールを決め7-3。35分、京産陣ゴールポスト前8m付近で組まれた京産ボールのスクラムを関学FWが押し込みターンオーバー。再度組まれたスクラムより関学が右に攻め込み、4番竹村俊太がトライ、ゴールも決まり14-3。前半終了間際、関学のハイタックルによるペナルティで15番山下がゴールを決め14-6、そのまま前半終了。攻める京産、守る関学の形となり後半の展開が楽しみとなった。

 後半、京産キックオフにより再開。前半と同じく果敢にフェイズを重ね前進する京産。開始2分にラックより出たボールを10番三原亮太から15番山下へとうまく繋がり、山下の個人技で中央へ走り込みトライ・ゴールも決まり14-13。7分、続けて京産15番山下がタックルを受けつつ個人技で走り込み、ゴール前でも2人を引きずりトライへ持ち込む。ゴールも決まり14-20。後半中盤まで両チームの凌ぎ合いが続くが京産12番山本耀司、15番山下が随所で好タックル。京産の勢いを感じる。26分、京産陣右10m付近京産ボールのスクラムより9番梁正秋が抜け後半より交代した23番城戸慎也に渡り中央にトライ、ゴールも決まり14-27。勢いに乗り攻め込む京産。29分に関学にノットロールアウェイのペナルティ。15番山下がゴールを決め14-30。30分に関学が4名を交代させ攻め込み、23番川上剛右がインゴールに蹴りこみ、自身で押えトライ。ゴールは決まらず19-30。3分のロスタイムで関学が攻め込むが京産ディフェンスに阻まれ、試合終了。

 試合の結果は、勢いに乗りきれた京産の勝利。一方うまくゲームを運べずに敗れた関学だが、次節以降の巻返しを期待したい。











9月29日(日) 14:00Kick Off 宝ヶ池‐第2試合
立命館大学
40
21 - 21
19 -  5
同志社大学
26

◎ 立命館大学 VS 同志社大学 マッチ・サマリー
 昨シーズン2位で「今年こそ優勝!」と、春から好調の立命館大学と昨シーズンは6位で選手権出場を逃したものの今季復活をめざす同志社大学との注目のカード。

 試合は、風上の同大KOで始まる。4分同大10番渡邊夏燦が自陣から蹴り込んだボールがインゴールに転がり、立命大選手のタッチキックを14番松井千士がチャージ、それを主将2番秋山哲平が押さえトライ、ゴールも決まり0-7と同大があっさり先制。8分にも同大が相手陣10mの左中間スクラムからボールを動かし、11番宮島裕之の左ライン際の好走から内にフォローした13番林真太郎へ返し、林が中央に回り込んでトライ。ゴールも決まり0-14と同大が引き離す。

 一方、立命大は17分に相手陣左22m付近のラインアウトから自慢の強力FWがモールを20m押し込み、ゴール前2mからこちらも主将2番庭井祐輔がラックからボールを持ち出し中央まで走り込みトライ、ゴールも決め7-14と反撃に出る。その後、同大1本、立命大2本とトライ・ゴールも決め21-21と両校譲らず同点で折り返す。

 後半は開始早々1分、立命大KOのボールを同大確保するものの立命大がターンオーバーし、8番嶋田直人がパワフルな走りでゴールポスト下にトライ、ゴールも決め28-21とリード。17分にもFW5番宇佐美和彦のトライで33-21と引き離す。同大は31分に14番松井千士が右端に飛び込み33-26と1T・1G差まで詰めより、その後も懸命に攻めるが、立命大の強力なディフェンスに阻まれる。終了間際には、立命大が強烈なタックルからターンオーバーし22番吉原浩之介がダメ押しのトライ。結果は、40-26の立命大勝利に終わった。

 立命大は、前評判の高い中、しっかりとその存在を見せつけた試合であった。対する同大も一歩及ばなかったものの今後につながる試合であり、伝統の一戦に相応しい好ゲームであった。













[敬称略]
(記事:北畑幸二、酒井博達、高橋茂治 写真:長谷川昭男、柳元啓志 広報担当:村島博)