ジャパンラグビー トップリーグ2013-2014

 


2ndステージ 第1節 グループA マッチ・会見サマリー
(近鉄花園ラグビー場)

12月1日(日) 14:00Kick Off
 5 -  7
 7 - 20
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
12
東芝ブレイブルーパス
27

◎ トヨタ自動車ヴェルブリッツ vs 東芝ブレイブルーパス マッチ・サマリー
 セカンドステージ第1節は、1st.ステージをプールA4位で通過したトヨタ自動車、対するはプールBを3位通過の東芝、頂点を目指す両チームとも負けられないセカンドステージ開幕の一戦。

 冷たい風が舞う花園ラグビー場、風上を選択した東芝のキックオフで試合が開始される。立ち上り、東芝、トヨタ自動車両チームとも、PGで先取しようとするがグランド上空の風に翻弄され、互いにPGが決まらない。中盤に差し掛かろうとする15分、トヨタ自動車が22mL右中間ラックから、左FLの吉田光治郎がラックサイドをつき、ディフェンスをかわし右隅にトライを挙げ5-0と緊迫した試合の均衡を破る。この後、キックにより互いの陣内に攻め込む場面も見られたが、得点に至らないまま刻々と時計の針が進む。27分、東芝は自陣30m付近の右中間で得たPKを、風を意識した低い弾道でトヨタ自動車陣22mL付近にキック、チェイスした東芝FB豊島翔平が俊足を活かし、トヨタ自動車のゴール前でのタックルを振り切り左隅にトライし同点とする。難しい位置からのGKをSH小川高光が決め、5-7と逆転。バックスタンドを赤色に染める東芝応援団からは大きな拍手があがった。その後互いに相手陣ゴール前に迫るも得点には至らず。前半は、トヨタ自動車はファーストステージ後半からの勢いを維持した好調な試合運び。一方の東芝はノックオン、ラインアウトミスなどで攻撃のリズムがかみ合わずフラストレーションがたまる試合内容。

 後半は、トヨタ自動車のキックオフで再開、前半同様、両チーム一進一退の攻防が繰り広げられる中で、後半の中盤の15分、トヨタ自動車のハイパントを東芝左WTBクーパ・ブーナがキャッチし10mL中央ラックからSH小川高廣がラックサイドをすり抜けポスト左にトライし5-14と試合が大きく動く。ここでトヨタ自動車は試合の流れを引き戻すべくSHにベテランの麻田、SOに文字を起用。その直後、トヨタ自動車は東芝のダイレクトタッチからのラインアウトを左展開、右WTB彦坂匡克が大きくゲインを切りゴール前まで迫ると、東芝は痛恨のオーバーザトップの反則、トヨタ自動車はPKからの速攻を仕掛け、18分、FL7番吉田光治郎が左隅にトライ、10番キャメロン・マッキンタイヤーのGKも決まり、12-14と試合の行方は全く分からなくなる。東芝は、20分から途中出場の22番WTBリチャード・カフィーが強烈なタックルをトヨタ自動車WTB彦坂に浴びせ反則を誘うと、ラインアウトからの連続攻撃でFL7番リーチマイケルが中央にトライし、12-21と突き放す。この後、東芝が2PGを決め、12-27で東芝がセカンドステージ初戦を勝利で飾った。

 MOMには、負傷から復帰した東芝ブレイブ・ルーパスキャプテンの7番リーチマイケルが選ばれた。












◎ 会見サマリー
【トヨタ自動車ヴェルブリッツ 廣瀬佳司監督】
 1ヶ月しっかり準備をして東芝戦に向けて自信を持って臨んだが、立ち上がりは良かったが、ブレイクダウンで勝てなくて攻めさせてくれなかった。ただ、ポジティブな面も沢山あったので、次のパナソニック戦に向けて小さなところを修正したい。

【トヨタ自動車ヴェルブリッツ 上野隆介キャプテン】
 今週1周間、東芝に対して準備をしてきたが、それを試合で発揮出来なかったことが敗因だ。細かいところでは、タックルミス、スクラムのところでプレッシャーをかけられ、自分達がやるラグビーの歯車が狂ってきた。中5日でパナソニックとの試合だが、まだまだレベルアップ出来るチームなので、ここからチームをまとめていきたい。

(東芝戦の具体的な準備は?)
廣瀬:セットプレーとボールの動かし方を意識して準備した。前半は思い通りにトライが出来たが、徐々にプレシャーを受けて自分達の良いアタックが出来なくなった。

(谷口選手は期待通りの働きだったか?)
廣瀬:肉離れで前半出場出来なかったが、怪我も治っていたし、ウインドウマンスでもアピールしてくれていたので、やってくれると思っていた。これからも十分活躍してくれると思う。

(勝点を獲れなかったが…)
廣瀬:自信を持って望んだが残念だ。12月は昨年のトップ4との対戦なので、モチベーションを上げて1戦必勝でチャレンジしたい。



【東芝ブレイブルーパス 和田賢一監督】
 多くの方に来場して頂き感謝しています。試合はセカンドステージ緒戦で本来のフィジカルラグビーを目指して1ヶ月準備をしていた。ボールが手に付かず、ちょっと統一も出来ず苦しんだが、タイトなゲームが続く中でこの勝利は、次に繋がると思う。この一戦の勝利で、まだまだレベルアップが出来るようにしたい。

【東芝ブレイブルーパス リーチ・マイケルキャプテン】
 11月にトヨタ戦が決まり、フィジカルな練習をして1ヶ月を過ごした。試合は両チームとも、緊張していたが、後半に入って東芝が有利になり相手陣に入ってからチームを引っ張った。緒戦に勝って大きな自信になった。11月にやっていたことが間違いないことが証明できた。キヤノン戦に向けて、同じフィジカルラグビーをしていきたい。

(最後のシーンでスクラムを選択して4トライを目指さなかったのは?)
和田:私も尋ねたい質問だ(笑い)。セカンドステージは勝てるポイントを獲ることと、相手にポイントを与えないことが大事と思う。ショットを狙うことで点差を拡げることも大切な選択だったと思う。トヨタに対しても、相手に得点を与えないという意味でいい判断だと思うし評価したい。東芝は、ハーフウェイからでもコンバージョンキックが出来ることをアピールできたと思う。

(小川選手のプレイについては?)
和田:前半はガチガチだったが、ハーフタイムでエリアをしっかり獲ろうと話して、後半は動きが良くなった。しかし、練習でのパフォーマンスが出来ていないので、まだまだ満足はしていない。これから試合でも練習と同じようなプレイが出来るようになることに期待したい。




[敬称略]
(記事:蜷川善夫、山林右二、玉川育夫 写真:柳元啓志 広報担当:村島博)