第50回全国大学選手権大会

 


第50回全国大学選手権大会
セカンドステージ 第2戦
(近鉄花園)

12月15日(日) 12:00Kick Off
帝京大学
78
33 -  0
45 -  5
関西学院大学
5

◎ 帝京大学 vs 関西学院大学 マッチ・サマリー
 大学選手権2ndステージ第2戦は、初戦を100点ゲームで下し大学選手権4連覇中の帝京大学と、惜しくも初戦を後半の逆転負けで落とした関西学院大学の一戦。

 冷たい北西の風が強く吹く花園ラグビー場、風下の関西学院のキックオフで前半が開始される。序盤の10分まで互いにゴール前まで迫るも譲らず、膠着した状況が続く中で、帝京大学のFWが圧力を発揮し始め、徐々に優位に立つと、15分ゴール前5m左ラインアウトからモールを押し込み左FLマルジーン・イラウアが左中間にこの試合初トライ(ゴール)をあげ7-0とリード。続く20分には自陣から関西学院陣ゴール前にキックを蹴り込むと、関西学院の反攻を帝京は鋭いディフェンスからラックでターンオーバー、左展開して最後は左WTB磯田泰成がタックルを振り切り左中間にトライし14-0。さらに28分には22mL右ラインアウトから展開したラックの左サイドを左LO飯野晃司が抜け、中央にトライ21-0とリードを拡げる。終盤37分には15番FBキャプテン竹田宣純のアタックを忠実にフォローした左CTB牧田旦がトライをあげ26-0。ハーフタイムのホーンが鳴った40分にも、帝京は攻撃の手を緩めず、CTB牧田がラインブレイクし左中間にこの試合2本目のトライ決め、33-0と大きくリードし前半を終える。

 後半も先に得点を挙げたのは帝京大学。4分ゴール前のラインアウトからFWがモールを押し込み、左サイドを衝いたHO坂手敦史が左中間にトライ。8分にもPKから速攻を仕掛け左WTB磯田がこの試合2本目のトライ、47-0と一方的な試合となる。関西学院は試合の流れを呼び寄せようと両LOを入れ替えた後の11分、ゴール前のモールを押し込み20番鈴木将大が左中間にこの日初のトライをあげ、47-5と一矢報いるが反撃もここまで。帝京大学は攻撃の手を全く休めることなく、20分にSO松田、続く23分にHO坂手が2本目のトライ、さらに26分には自陣からのキックを22番中村亮土が俊足を飛ばし中央にトライ。31分には23番野田滉貴、ノーサイドホーン後の40分にも、22番中村がインターセプトし2本目のトライと、後半だけで7トライ、78-5と帝京大学が力の差をいかんなく見せつけて勝利を挙げた。

 次週2ndステージ最終戦、帝京大学は同様に2ndステージ連勝の大東文化大学と、敗れた関西学院大学は白星をかけて朝日大学との対戦を迎える。












◎ 会見サマリー
【関西学院大学 野中孝介 監督】
 セカンドステージの二戦目で大学選手権連覇の帝京大と戦えて本当に感謝しています。この一週間はチャレンジャーの気持ちを持って取組めたし、アップにしても全ての面で準備ができた。結果としては大敗で、まだまだ自分達の力が足りないと思った。前半は気持ちの入ったタックルもあったが、リズムを掴めなかったことが敗因だ。セカンドステージの敗退は決まったが、来週の朝日大に向けては、修正して臨み、一年の締めくくりにしたい。

【関西学院大学 畑中啓吾 キャプテン】
 帝京大が強いということ、特にコンタクトが強いことは判っていたので、タックルで2人、3人かけてもリアクションを速くして、チャレンジし続けようと意識して臨んだが、やはり帝京大は強かった。昨年からブレイクダウンが敗因だったと言っていたので、今年1月からブレイクダウンを中心にやってきたが、まだまだ差があるし、個人の能力の差もあり、悔しい。まだ終わっていないので、来週の試合は、チャレンジャーの気持ちをもって臨みたい。

(前半の15分までは良かったが、やりたいラグビーができたか?)
畑中:ディフェンスもタックルも良かった。帝京大は一瞬の隙も見逃してくれないチームだと思う、前半15分間は、自分達が思うプレーが出せていたと思う。



【帝京大学 岩出雅之 監督】
 大学選手権の2戦目もチームに勢いづかせるためにしっかりした気持ちで臨めるように、学生を鼓舞しながら今日を迎えた。ファイナルステージに上がって行くためにも、挑戦していくことを忘れずしっかり一つ一つ積み上げていきたい。出だしは丁寧にし過ぎたが、集中力も良かったし、最後まで頑張ったと思う。このゲームで得たことを次の試合に活かしてほしい。

【帝京大学 中村亮土 キャプテン】
 今回の試合は、コンタクトエリアで自分達がコントロールして、前に出ることをテーマにしていた。前半、関学大のプレッシャーが強かったが、そこで挫けず受けずに身体を当て続けたことがいい流れになった。修正するところは、修正して、次のセカンドステージ最後の試合に臨みたい。

(前の試合は1~2年生が中心だったが、今回の意図は?)
岩出:前回もチャレンジングにゲーム構成で人選したし、今回も勢いをつけるために選考した。全員がチャレンジ精神を持っていて、誰が出ても良いゲームにして、より成長して良いチームになるようにしたい。その年の試合でベストなゲームに成るようにして、前回よりも良い成長を感じさせるチームに積み上げる様にしたい。欲張りなので、今日の関学大は果敢なタックルとカウンターをかけていたので、我々にもいい勉強になったと思う。




[敬称略]
(記事:蜷川善夫、山林右二、玉川育夫 写真:小巻真司 広報担当:村島博)