ジャパンラグビー トップリーグ2013-2014

 


2ndステージ 第4節 グループA マッチ・会見サマリー
(ヤマハスタジアム)

12月21日(土) 13:00Kick Off
21 -  7
19 - 19
ヤマハ発動機ジュビロ
40
NECグリーンロケッツ
26

“ヤマハが6トライの猛攻で圧勝。4強入りへ王手!”


◎ ヤマハ発動機ジュビロ vs NECグリーンロケッツ マッチ・サマリー
 12月21日、冬の寒さがより一層厳しくなったヤマハスタジアムで、ヤマハ発動機とNECとの対戦が行われた。ヤマハは前節、最後のワンプレーでキヤノンに劇的逆転勝ちし2勝1敗。プレーオフ進出のためにはこの試合を確実に勝利したいところ。一方のNECは2ndステージ3連敗で、プレーオフ進出のためにはもう負けることはできない。

 試合はNECのキック・オフで始まったが、ヤマハが試合を優位に進める。前半8分、相手キックのボールをFB⑮五郎丸歩がキャッチし、カウンター攻撃。相手を引き付け絶妙のタイミングで背面パス。キャッチしたWTB⑭伊東力がディフェンスを振り切りゴール中央に先制トライ。FB⑮五郎丸歩のゴールも成功し、7-0と先制する。先制されたNECは19分、CTB⑫田村優の好キックで得た相手陣ゴール前のスクラムから左に展開、最後はFB⑮窪田幸一郎がゴール左にトライ。SO⑩ウェブ将武のゴールも成功し同点に追いつく。その後、 NECは攻撃を仕掛けるがヤマハの強固なディフェンスで得点をすることができない。ヤマハは27分、相手のキックをキャッチしたSO⑩大田尾竜彦がカウンター。約3分にもわたる連続攻撃で最後はFL⑥モセ・トゥイアリイがゴール右隅にトライ。FB⑮五郎丸歩のゴールも成功し、再度点差を引き離す。さらにFL⑥モセ・トゥイアリイは前半終了近くにも、相手攻撃のパスをインターセプト。約40m独走し、ゴール中央にトライ。ゴールも成功し、21-7とヤマハが14点リードで前半が終了する。

 後半に入り、選手を3人入れ替えたNECが反撃。開始早々の2分、ハーフウエイ付近のラインアウトからの攻撃でCTB⑫田村がゴール左隅にキックパス。交替したWTB22ネマニ・ナドロが相手の取り損ねたボールをしっかり押さえトライ(ゴール失敗)し、点差を縮める。しかし、ここからヤマハが試合を優位に進めていく。ヤマハは9分交替したWTB22シアレ・ピウタウがFB⑮五郎丸歩とパスを回しながらゴール左中間にトライ(ゴール成功)。18分には相手ラックをターンオーバーし、そこから連続攻撃を仕掛け最後はCTB⑫マレ・サウがディフェンスを突破してゴール右中間にトライ(ゴール不成功)。さらに25分、自陣スクラムからの連続攻撃で最後はPR①山本幸輝がゴール右中間にトライ(ゴール成功)。点差を28に広げ試合を決定的にする。大量に点差を引き離されたNECは、相手ペナルティで得たボールをタップキック、速攻を仕掛ける。31分NO8⑧日高健が左中間にトライ(ゴール成功)、さらに36分、PR23キム・カンシクがコール中央にトライ(ゴール成功)し、点差を14に縮めるが終了のホーンで万事休す。ヤマハが40-26の圧勝で試合が終了した。

 ヤマハはホームゲーム2連勝で3勝1敗、勝点18と伸ばし、次節の勝利でプレーオフ進出が決まることとなった。一方、NECは勝点1を獲得したが2ndステージ4連敗でプレーオフ進出が厳しい状況となった。この日のマン・オブ・ザ・マッチは、再三の突進でヤマハ圧勝の起点となり、自らも1トライを挙げたヤマハCTB⑫マレ・サウが受賞した。






◎ 会見サマリー
【NECグリーンロケッツ グレッグ・クーパー ヘッドコーチ】
 残念な結果だ。勝利を期して試合に臨んだが、ボールコントロールの部分で、6回もボールを失うことで、自らがプレッシャーを受けることになった。その結果ヤマハは逆にプレッシャー受けなくなったはずだ。前半コーナーへのトライのチャンスを逃したり、インターセプトで相手にトライを献上してしまったことで、調子にのることができなかった。後半ディフェンスのエラーを何度かしてしまい、まだ勝つチャンスもあったが、最終的には試合自体コントロールできないという結果になってしまった。

【NECグリーンロケッツ 浅野キャプテン】
 まず遠いところまで応援に来てくれたサポーターの皆さんに感謝しています。今回、ヤマハのホームゲームでしたが、素晴らしい環境を提供していただきありがとうございました。セカンドステージに入って勝ち星がないまま来ている。いい部分も出ているが、ボールコントロールやボールキープでのミスがゲームの命取りになるし、それだけ高いレベルの相手とやるわけで、精度の部分が今日の点差だと思う。後半ボールをキープし続けることによってチャンスが出てくるという練習でやってきたことが成果として出て、スコアまで持って行けたのはよかったと思う。次の秩父宮の神戸戦は何としても勝ってサポーターの皆さんと喜びを分かち合いたい。

(前半7-7からヤマハにトライを取られるところで、ラインアウトの2回続けてのミスは風の影響があったか?)
浅野:お互いに風の影響を受けていたと思うが、スペースを見つけて取っていた。しかし、あの時点では、ボールとスローワー、ジャンパー、リフターとのタイミングが合っていなかった。NECがずっと相手陣にいる時間帯だったので続けてのミスはいけない場面であり、FW全員の責任であり反省点の一つだ。ゲーム中にコミュニケーションをとって修正は途中からできていたと思うが、全体を通して連続ミスの場面は自分たちのペースを握るにはマイナスになった。

(それに関してロングボールの失敗の後、もう少し前側のボールも取られたりしていたが相手に分析されていたのか、それともNECサイドのミスか。)
浅野:完全にうちのミスだ。

(タックルの精度が悪かったことなどを含めて次の神戸戦に向けてどう修正するか?)
クーパー:ヤマハはカウンターアタックで来ると分析していて、ボールコントロールは前半よくできていたが、後半は姿勢が高くなったりしたので、低い姿勢でのボール確保が大事。技術ではなくメンタル、気の持ちようで修正したい。タックルに関しても、前半は外されてしまうケースなどメンタルが原因、気持ちを強く持つことが大事。全般的に何人かがタックルを外されると連鎖的になり、メンタル的にもそこを強くしたい。



【ヤマハ発動機ジュビロ 清宮 監督】
 2週続けてのホームゲーム、2連勝を飾れてよかった。試合内容に関しては、改善するところはいくつかあるが、今ヤマハは勢いがあるので、あと3試合楽しみで、内容は見ていただいた通りだ。

【ヤマハ発動機ジュビロ 三村 キャプテン】
 いくつか課題はあるが、取り切れたところは先週と違ってよかった。まだまだ後半ゆるい時間帯があったのでチームには厳しく言って、トヨタ戦に向けてチーム一丸となって臨みたい。

(ホームで先週勝っているし、どんなところにフォーカスして1週間準備してきたのか、また、その出来ばえ自体に満足感はあるか?)
清宮:自分たちのプレー、相手をあまり見ないで行こうと。あるところができてあるところができないというのもあるのでなかなかベストになれないが、それは時間がかかるのではないか。

(トップ4の戦いとなると?)
清宮:そういうところに視点を向けていくと自分たちももっと強化しなくてはいけない。今日のNEC戦もいつも通りのヤマハの練習をして臨んだ。

(伊東選手が試合の序盤で流れを持ってきてくれた印象があるが?)
清宮:今日のマン・オブ・ザ・マッチだ。初14番で初トライ。素晴らしいと思う。アタック面ではこの1年で一番伸びた選手ではないか、経験を重ねて今のスターティングに出ている選手たちと競争するとこの先が楽しみだ。今日のプレーを見て、田中、中園あたりもいろいろ考えているだろうから、チームの相乗効果を期待したい。




[敬称略]
(記事:神谷英志、小林聖子、写真・広報担当:石垣俊幸)