第50回全国大学選手権大会

 


第50回全国大学選手権大会
セカンドステージ 第3戦
(近鉄花園)

12月22日(日) 12:00Kick Off
京都産業大学
31
 7 - 12
24 - 12
大阪体育大学
24

◎ 京都産業大学 vs 大阪体育大学 マッチ・サマリー
 大学選手権では、すでにファイナルステージ進出の望みが絶たれた両チームではあるが、ともに古豪復活の評判が高く、シーズン最後の試合を勝利で飾りたい。関西大学リーグでの対戦は、20-17と京都産業大学が勝利はしているもののトライ数では逆に2-3と大阪体育大学が上回っている。また、大学選手権に入っても共に互角の戦績を残しており、今日も白熱した試合が期待される。応援に駆けつけたファンも来シーズンへの期待も込めて自ずと力がこもる。

 晴れ間こそ見えるものの、厳しい北西の季節風が吹きつける中、試合は、風上に陣取った京都産業大学のキックオフで開始された。立ち上りから京産大は風を利して試合を優位に進め、まず8分、ゴール前30m左中間のラックから右に展開し、最後大外の⑪下良へとつなぎ、DFを振り切ってトライ(G成功)7-0と先制する。しかし、今度は風下の大阪体育大学、ハーフウエイ付近で相手オフサイドのPKから、素早く右に展開し⑧福本がタッチ際を走りきって16分右隅にトライ7-5と反撃し、さらに22分には⑪沢良木のラインブレイクから⑬吉野へ繋ぎ中央トライ(G成功)、7-12と点差を拡げそのままハーフタイムを迎えた。

 後半に入り、風下となった京産大は、キックから今シーズン躍進の原動力となったBKの走力を活かす戦術に切り替え大きくゲインすると、ゴール前でラックを連取し7分⑮山下左中間に飛込みトライ(G成功)14-12と逆転する。そして、12分には同じようにBKのランからチャンスを掴み、またも⑮山下がトライ、19-12と点差を拡げる。しかし、今度は風上の体大、BK展開で大きくゲインし、堪りかねた京産のハイタックルを誘い、PK後のラインアウトモールを強力にドライブし19分②長崎トライを奪うと(19-17)、27分には自慢の強力FWがピック・アンド・ゴーを繰り返し、ラックサイドを衝いたSHが上手く⑱伊尾木に繋ぎ、左中間にトライ(G成功)して再逆転、19-24とリードを奪う。これで体大がペースを掴むかと思われたが、京産大は、29分に攻込んだ体大BKのパスを⑭森田インターセプト、一気に体大DFラインの裏に抜けだし、フォローした⑨梁に繋ぎ右隅トライ(24-24)。これで、試合を振り出しに戻した京産大は、その後も優勢に試合を続け、35分にはゴール前10mのポスト右ラックから⑨左展開⑩を経て③浅岡に繋いでトライ(G成功)、31-24と引き離し、この後ノーサイドまで続く体大の執拗な反撃を振り切って勝利をもぎとった。

 この試合は、両校の持てる力が正面からぶつかり合ったスリリングな展開で、最後は、劣勢のスクラムを持ち応え、かつ、スピードに一日の長がある京産大が体大をリーグ戦に続いて退ける結果となったが、共に来シーズンの更なる成長に期待を持たせる好試合であった。














◎ 会見サマリー
【大阪体育大学 中谷 誠 監督】
 セカンドステージ第3戦を戦える機会を頂き本当に感謝しています。関西リーグで京産大が3位、大体大が5位でリーグのリベンジを果たすべく臨んだ試合、今日こそ奮起してリベンジしたかった。我々は京産大とは伝統の一戦として挑んだが、京産大の動きの速さと接点の強さでしっかり止められた。我々のイージーなミスから得点に繋がれたことが敗因だ。80分間、選手達は切れることなく、最後まで戦ってくれたことを誇りに思う、特に今年は4回生が中心にやり切ってくれたことが嬉しい。

【大阪体育大学 竹内 擁騎 キャプテン】
 今日の試合では、京産大の粘り強いディフェンスと激しいブレイクダウンに阻まれ、ボールを前へ持って行こうとしたのだが、ボールゲインすることができなかった。自分達の思うラグビーをさせてもらえなかった、2~3年生に勝利を残すことができず、申し訳ない気持ちだ。

(ラインアウトで優位だったが、セットプレイから攻めるプランだったか?)
中谷:我々の武器は、ラインアウトとスクラムで起点を作って前進することだと考えていた。前半はチームとしてコントロールできたが、後半は風を上手く使えず、攻めても、狭いサイドでターンオーバーされたところが致命傷だった。

(スクラムの優劣は?)
中谷:これまではスクラムで勝負できたが、この試合では京産大のスクラムが五分に近いスクラムで、大体大の勢いがなくなったと思う位に感じた。中央大に勝って、要所で力を発揮できる様になったと思う。



【京都産業大学 大西 健 監督】
 本当に良いゲームだったと思う、我々も大体大も最後の試合で良いゲームができたと思う。リーグ戦のグループ形式で消化試合にならないように学生には、入替戦のつもりで戦うと言っていた。1点差でも勝って次の新しいチームでもう一つ上のステージで戦うと言って臨んだ。大体大も本気で向かってきてくれたので、ファイトある良いゲームができて嬉しく思う。

【京都産業大学 三原 亮太 キャプテン】
 ハードなゲームで前半、大体大の大きなフォワードに圧倒され、バックスでもスピードのあるラグビーで翻弄されていたが、後半から気持ちで勝ちきりたい思いが大体大より上回っていたかなと思う。次のチームに繋げる試合だったと思うので本当に勝てて良かった。

(関東との差は感じたか?)
大西:正直、感じていない。関東の早稲田大、中央大と戦ってみて、関西のハードなゲームも体験しているので、差は感じていない。早稲田大にはミスを突かれて、うまさを感じたが、勝てない相手だとは感じていない。
三原:コンタクトでは、関東と関西を比べても違いはないと思う。ただし、自分達のミスから攻めてくるうまさは、少し関東の方が上かなと思う。

(関東を上回るには?)
三原:簡単なミスが多くて、関東はミスが少ないと感じた。ミスを少なくすることによって良いゲームできると思う。
大西:振り出しに戻って本当に関東を倒すことを今年は思い出したかなと思う。関東を倒すに戦ってきた歴史があるので、もう一度本気で関東を倒す元年になれば良いと思う。




[敬称略]
(記事:蜷川善夫、村島博、玉川育夫 写真:小巻真司 広報担当:村島博)