ジャパンラグビー トップリーグ2013-2014

 


2ndステージ 第7節 グループB マッチ・会見サマリー
(近鉄花園ラグビー場)

1月18日(土) 12:00Kick Off

19 -  5
19 -  7
NTTドコモレッドハリケーンズ
38
豊田自動織機シャトルズ
12


◎ NTTドコモレッドハリケーンズ vs 豊田自動織機シャトルズ マッチ・サマリー

  8月末から始まったトップリーグ2013-2014レギュラーシーズン、11月末からの2ndステージもいよいよ最終節、前節まで勝点9とグループB最下位で自動降格確定まで後のないNTTドコモとこちらも一気にワイルドカードトーナメント進出を決めたい豊田自動織機の対決。冷たい冬空にも関わらず花園ラグビー場にかけつけた、5,000人近い熱心な両チームの応援団が見守る中、試合は、豊田自動織機のキックオフで開始された。

  両チームの攻防が一進一退の静かな立ち上がりの中、前半14分、NTTドコモが10mライン中央付近のラックからSH秦が左に展開し、最後はFBフィルヨーンが個人技でディフェンスラインをすり抜けて左隅にトライを挙げ、幸先良く先制した(5-0)。しかし豊田自動織機も直後の19分、NTTドコモのホールディングで得たゴール前5m右中間のペナルティより、FBハイレットペティがタップキックからそのまま右中間にトライ、5-5の同点とした。しかしその後は一方的なNTTドコモのペース、FW中心に相手ゴール前でボールを支配して、27分、36分にそれぞれFW・BKがトライ・ゴールを挙げ、19-5とリードして前半を終えた。

  後半に入ってもNTTドコモのペースは衰えず、後半4分に再びFBフィルヨーンのトライで追加点を挙げた後、豊田自動織機の外国人選手2名がラフプレイでシンビン中の21分、直前の20分に入替でWTBに入った元フィジー代表の23番ボンボが自陣10mラインより長駆60mを独走してトライを挙げ、33-5とほぼ試合を決定づけた。終了間際に双方トライを追加したが大勢には影響なく、最終的には38-12とNTTドコモがチーム今シーズン最多得点で快勝した。

  NTTドコモは執拗なディフェンスで豊田自動織機に反撃の隙を与えず、BKもハーフ団SH秦・SO茂木の小気味よいボール捌きから自在に加点するベストゲームで、この結果、翌日に最終戦を迎えて順位を争うコカ・コーラウエストと九州電力に大きなプレッシャーを与えることとなった。一方の豊田自動織機は、FWの得意なブレイクダウンからのターンオーバーがNTTドコモからは殆ど奪えずに完敗した。MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)は、終始身体を張ったプレイでチームを牽引したTL出場102試合目のベテラン№8箕内に2試合連続で贈られた。




◎ 会見サマリー

【NTTドコモレッドハリケーンズ 下沖正博ヘッドコーチ】
ドコモとしては負ければ自動降格が確定だったので、本当に後がない試合だった。プレシャーを感じさせると良いプレーが出来ないので、一方でいろいろと経験もしている中で緊張感とリラックス感の2つを合わせながら今週は準備をしていた。良い準備をしていたので、キックオフから動きも良く勝利に結びついたと思う。

【NTTドコモレッドハリケーンズ 吉岡宏樹キャプテン】
最終節まで多くのファンと関係者の人達に来て頂き、またどの会場でもドコモの応援が多く私達としてもやりやすい環境でプレーできた事に感謝しています。負ければ自動降格となるが、チャレンジャーとして緊張感を楽しもうとテーマを持って試合に臨んだ。明日の試合結果でどうなるかは判らないが、自分達としては、やれることは全てやったと思っている、入替戦に行けたらと思っている。

(相手の強みより勝ったドコモの勝因は?)

下沖:春からフィジカル面を強化していた、かなり時間をかけて強化し、具体的に前へ行く自信を持っていた。織機はブレイクダウンに人をかけないのは判っていたので、そこに対してフォワードでトライに結び点けることができ、プラン通りに行けたと思う。

(シーズンを通じて、チームとして成長したところは?)

吉岡:ファーストステージの前半2節まで良かったが、3節目の神戸製鋼戦で負けて自信を無くしたところがあった。春からメンバー全員がポジティブな練習をしてきて、やれば出来ると取り組んだ、最後まで一生懸命やっていたことが良かったと思う。

(シレリ・ボンボは予定通りの起用か?)

下沖:タイミング的には早かった。リアン・フィルヨーン選手が足を痛めていたので、少し早めの起用となった。インパクトプレヤーとしての力を十分発揮し、いいトライも獲ってくれて良かったと思う。



【豊田自動織機シャトルズ 田村誠監督】
最終節でいろんなことがかかった試合で、しっかり準備をして臨んだが、ドコモが全てのプレーで上回っていて、大切な試合で気持ちが相手より上回ることが出来なかった、本当に素晴らしいゲームをされて我々は叶わなかった。

【豊田自動織機シャトルズ 梅田紘一ゲームキャプテン】
本日は有難うございました。悔しい一言です、自分達のラグビーが出来なかった。

(想定していたことと何が違ったか?)

田村:想定はしていた。ドコモが22メートル内に入った時はモールでフォワード近くを仕掛けてくることは判っていたし、気迫で来るのも判っていたので、相手陣で無理なゲームをしないと言っていた。我々のゲームスタイルもあるが、無理なプレーをしすぎた。ドコモは自分達の強みを全て得点にしていたのが今日の試合だったと思う。

(全体のシーズンを通じての成長は?)

田村:競った試合が勝ち切れない。後半戦からは勝つことが出来たが、良いプレーを続けることを積み重ねて行かなくてはならないと思う。今日のドコモは、修羅場を何シーズンも経験している、我々も経験はしているが回数とかの差があったと思う。これから先は自分達が決めることではないので、チャンスがあれば上で戦っていきたい。

(マーク・ジェラード選手の状態は?)

田村:前日の練習で腕と足を痛めた、ぎりぎりまで待ったが難しいと判断した。




[敬称略]

(記事:蜷川善夫、石川悟、玉川育夫 写真:柳元啓志 広報担当:村島博)