ジャパンラグビー トップリーグ2013-2014

 


2ndステージ 第7節 グループA マッチ・会見サマリー
(ノエビアスタジアム神戸)

1月19日(日) 13:00Kick Off

26 - 15
12 - 21
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
38
東芝ブレイブルーパス
36


◎ 神戸製鋼コベルコスティーラーズ vs 東芝ブレイブルーパス マッチ・サマリー

  前日行われたサントリーvヤマハ発動機(22-19、サントリー勝利)の結果により、東芝は既にプレーオフ進出決定、神戸製鋼は1ポイント獲得または敗れてボーナスポイントがとれなくでも33点以内の差であれば得失点でプレーオフ進出が決まる状況下、神戸製鋼の先蹴でゲームが始まる。

  プレーオフを見据え、拙いゲーム運びは出来ない東芝は、執拗なブレイクダウンで、神戸陣深く進む。4分神戸陣22m内左中間でPGチャンスを得ると、SH9小川がきっちり決め先制、(0-3)東芝ペースになるかと思われたが、直後の5分、ブレイクダウンの攻防から神戸製鋼SH9猿渡が東芝BKラインの背後に巧みなショートパントを上げ、東芝陣右中間に攻め込む。その後Pから選択したラインアウト・モールを形成、一気に押し込むと最後はNO8マパカイトロが抑えT(G成功7-3)、逆転する。ブレイクダウンでのボールキープが安定しない東芝は、再び神戸製鋼SH猿渡にパントで背後を突かれ、キャリーバックにせざるを得ない状況に。直後のセットプレーから安定したボールが出た神戸製鋼は、12分中央付近ラックからNO8マパカイトロが再び中央にT(G成功14-3)。続く15分にもセンタースクラムからNO8マパカイトロが抜け出し、一気に東芝陣22m付近までボールを運ぶと、ラックからSO10正面→CTB12ウィング→CTB13フーリーと繋いでT(G成功21-3)、東芝を突き放す。一方、セットプレーで力に勝る東芝は、神戸陣ゴール前でPを得ても繰り返しスクラムを選択、神戸製鋼FWにプレッシャーをかける。21分神戸陣ゴール前、東芝はホイールしたスクラムからSH9小川が持ち出し、ポスト下へT(G成功21-10)。25分NO8マパカイトロのタックルでターンオーバーした東芝陣10mラックから、CTB13フーリー→12ウィングと繋ぎ左中間へT(G不成功26-10)、ボーナスポイント1を獲得し、プレーオフ進出を決めれば、東芝も30分神戸陣ゴール前5mスクラムから、SH9小川→WTB14大島へ繋ぎ、あっさり右隅にT(G不成功26-15)、セットプレーでの優位性を活かし、追撃する。ブレイクダウンでのケアレスミスが目立ち、反則を重ねた(前半10)神戸製鋼だったが、東芝も肝心な箇所でのミスにより加点出来ないまま前半を終了する。

  後半開始早々の41分、神戸陣右サイド22m付近のラインアウトから展開攻撃を仕掛ける東芝は、CTB13カフィがスピード豊かなアングルチェンジでラインブレイク、途中出場のCTB23松延へ繋いで中央にT(G成功26-22)、前半に引き続きボールポゼッションで優位に立つも、その後は神戸製鋼の粘り強いDFの前に一進一退。56分東芝陣15m付近で、神戸製鋼SO正面のライナー気味のキックが東芝プレーヤーに当たるが、こぼれたボールをFL7前川が拾い、東芝DFを鋭角に切り裂きビックゲイン、CTB13フーリーに繋ぎ、左隅にT(G不成功31-22)、直後の59分、神戸製鋼のスクラムコラプスで得たチャンスから神戸陣内ゴール前ラインアウトの東芝はモールを形成、最後は途中出場CTB22ヒルまで参加して押し切りT(G成功31-29)、‘ノーガードの撃ち合い’といった様相を呈する。その後も神戸陣内深く攻め入る東芝だが、焦る必要の無い場面でのケアレスミスが多発、勝ち越し点が奪えない。我慢の時間帯が続く神戸製鋼だったが、72分東芝陣22mラックから出たボール、NO8マパカイトロからパスを受けたCTB13フーリーが、WTB11大橋と巧みなパスコンビネーションを見せT(G成功38-29)。76分モールコラプスからのペナルティトライ(G成功38-36)を獲り粘る東芝は、ラストチャンスで再度神戸ゴール前に攻め入るが、神戸製鋼DFが耐え抜きタイムアップ。

  ‘アンストラクチャーからのアタックが冴えた’(苑田HC談)神戸製鋼と、‘序盤に畳み掛けられ、最後に追いつけない対神戸製鋼戦の負けパターン’(和田監督談)に嵌った東芝。両チームの持ち味が充分発揮された、見応えある一戦となった。MOMはCTBジャック・フーリーが選出された。




◎ 会見サマリー

【東芝ブレイブルーパス 和田賢一 監督】
本日は大勢のお客様にお越しいただき、また最高のグラウンドコンディションを御用意いただいた方々のご尽力に感謝致します。ゲームは前半の神戸製鋼の3連続トライで完全に受けてしまったことが全て。昨年の日本選手権準決勝で敗れたパターンと全く同じで、猛省すべき点。来るプレーオフまでにしっかり修正したい。

【東芝ブレイブルーパス 望月雄太ゲームキャプテン】
前節のヤマハ発動機戦(29-15)をボトムとして臨んだゲームだったが、前半受けてしまったことが敗因となった。プレーオフに向けて入りの部分を、ひとり一人がどう意識して変えられるかである。このままでは終われない。

(序盤からスクラムで優位に立ってトライを獲っていたが、なぜ勢いに乗れなかったのか?)

望月:特にこれが原因、ということはない。スクラムは優勢だったが、1v1の場面や、アタックのヒットで神戸製鋼が先に入り、優位に立っていた程度。

(事前にプレーオフ進出決定したことによる気持ちの変化は?)

和田:プレーオフ進出は素直に喜んだが、東芝らしいゲーム運びが出来ていないことが駄目。ヤマハ戦の反省を踏まえ臨んだ今日のゲームだったが、今シーズン追求してきたプレーが出来ていない。出来なかったことをしっかり検証したい。プレーオフ進出が決まったことで何か気持ちが変わるなら、プレーオフでも勝てない。我々の目標はプレーオフ進出ではなく、そこで勝つことだから。

望月:やることはこれまでと変わらない。全力を尽くしてプレーオフに臨みたい。

(プレーオフ緒戦はパナソニックだが?)

和田:2NDステージ1位通過のチームに対し、互いの強み・弱みをしっかり把握した上で、準備したい。

(怪我人の復帰について?)

和田:順調に回復している。

(大島、松延ら若手プレーヤーについて?)

和田:大島については、11月のウィンドマンスからいいパフォーマンスを見せていたので、迷わず本職のSHからWTBにコンバートして起用しているが、期待通りのプレーをしている。松延も勝負強さを発揮してくれている。



【神戸製鋼コベルコスティーラーズ 苑田右二 ヘッドコーチ】
他力本願ではなく、勝ち点5を上げて地力でプレーオフを決めたかったが、今日の勝利は果たして48名の部員とサポートスタッフの努力が結実したと思う。2年連続のプレーオフ進出は、常勝チームへの足がかりとなる。

【神戸製鋼コベルコスティーラーズ 橋本大輝 キャプテン】
勝ってプレーオフ進出が出来、且つ昨年より順位を1つ上げ嬉しく思う。次に繋がるゲームだった。

(前半25分で早々とプレーオフ進出を決めた、アタックについての評価?)

苑田:ストロングポイントでの勝負と睨んでいたが、アンストラクチャーな場面からの4トライは見事だった。

(アンストラクチャーな場面から、プレーの精度を上げるための準備とは?)

苑田:2NDステージ2連敗後、アタックの微調整、つまりスペースへ素早くボールを運ぶことを意識し、またスカウティングの結果、ボールキープをしっかりしていればトライを獲れると解っていたので、それが体現できて満足している。ここ数ゲーム、ターンオーバーからの攻撃で4トライ以上獲っていることもその現れ。

(スクラムで苦戦する原因とその修正ポイントは?)

橋本:フロントローのことは、サードローの私にはよく解らない。アタック、ディフェンスとも素早く反応出来ておらず、この2週間でしっかり確認し修正したい。

(2NDステージ2連敗後の改善点は?)

橋本:アタックが改善できた。方向性がしっかり定まり、プレーヤー個々に浸透した結果である。




[敬称略]

(記事、広報担当:廣島治 写真:長谷川昭男)