ジャパンラグビー トップリーグ2013-2014

ワイルドカードトーナメント 1回戦 マッチ・会見サマリー
（近鉄花園ラグビー場）

２月１日（土）　１２：００Kick Off

◎ NECグリーンロケッツ vs クボタスピアーズ　マッチ・サマリー

  微風の近鉄花園ラグビー場、ＮＥＣの先蹴でゲーム開始。負ければシーズン終了を意味するサバイバルマッチは、序盤キックを織り交ぜつつ、機を窺う。10分迄はクボタがNEC陣深く攻め込むも、ケアレスミスで自ら潰してしまう。押し込まれ気味だったＮＥＣは14分、クボタ陣22m付近ラックから左展開、CTB12櫻谷が巧みなカットインで抜け出しWTB11釜池に繋いで左隅にＴ（G不成功5-0）、先制する。その後もボール保持はクボタが上回るも、パスミス等で攻めきれずペースが掴めない。25分クボタはNEC陣30m付近でのPGチャンスをSO高橋が決め、波に乗るかと思われたが、29分不用意なレイトチャージからＮＥＣにＰＧチャンスを与えてしまい、再び５点差に。34分クボタゴール前スクラムから、クボタがファンブルしたこぼれ球を、ＮＥＣ　SO10田村が巧く処理、ポスト下へT（G成功15-3）。39分には不用意に上げたキックでＢＫラインが前がかりになったところを、NEC田村にキックで突かれ、転がったボールをFB15吉廣がゴール前で拾いＴ（G不成功20-3）。

  後半もＮＥＣペースでゲームは進む。4分ハーフウェイライン付近から左展開、FB吉廣がクボタＤＦのギャップを突き、左中間へＴ（G成功27-3）。8分にもSO田村がクボタＢＫラインの裏へショートパント、インゴールでWTB釜池が押さえT（Ｇ成功34-3）13分PGを決められたクボタも執拗なアタックを繰り返すが、ＮＥＣの‘厚い壁’に阻まれゴールラインを割れない。18分クボタはＮＥＣ陣ゴール前左中間ラックから、SH21茂木→FL6四至本と繋いでＴ（G成功37-10）と抵抗するも、タックルの精度に差が目立った残り20分に加点され47-10でタイムアップ。

  激しくも単調なリズムのアタックを繰り返し、前がかりな故にDFラインにギャップをつくってしまったクボタ。ＤＦを軸にゲームを創るＮＥＣの術中に嵌ってしまいシーズン終了。一方のＮＥＣは、粘りのＤＦを強力な武器に‘メイクミラクル’の一歩を踏み出した。

◎ 会見サマリー

【クボタスピアーズ　石倉俊二監督】
日本協会、関西協会、レフリーの方々にお世話をいただき、また、沢山の応援に来て頂きこの様なワイルドカードに出場できたことを嬉しく思います。結果は負けてしまったが一年間やってきていいシーズンだった、まだまだトップ８，トップ４との差は感じた。一年間本当に選手、コーチ、スタッフみんなが力を合わせてやってきたことがトップリーグ９位で復帰後の初年度としては良かったと思う。まだまだ目標はここではないので、高い目標をもって次のシーズンに向けていきたい。今日はNECのしっかりした激しいデフェンスに負けてしまったNECには、勝って上を目指してもらいたい、本日は有難うございました。

【クボタスピアーズ　荻原　要ゲームキャプテン】
点数は見ての通リ完敗だ。内容は自分達のミスが多く、ペースを掴むことができなかった、自分の中ではもっとできると思っていたので、悔いが残る。今日のためにスタッフメンバーの方々がいい準備をしてくれたので、そこには感謝している、本日は有難うございました。

（前半１０分位に相手陣に攻めて攻めきれなかったのは、圧力を感じていたか？）

荻原：まだまだ序盤だったので気にはしていなかったが、得点を獲れなかったことに対して流れを掴むことができなかった。ブレイクダウンについては、いけると確信していたがFWで攻めてモールで攻めることができなかった。NECは球際が強かった、武器である井上のパス出しが遅くなり攻撃のリズムも試合の流れも掴むことができず、ミスが多かったと思う。

（立川選手がいる時といない時との差がでたか？）

石倉：結果はこのようになって言われると思うが、我々としては他のメンバーも揃っているので十分戦えると思った。我々のミスから流れを掴めずトライを獲りきれずに相手に流れがいったと思う、NECの戦略に填ってしまったと思う。立川も来シーズンにいいものを持って帰ってくると信じているので、我々もステップアップしていきたいと思う。

【NECグリーンロケッツ　グレッグ・クーパーヘッドコーチ】
パフォーマンスに関しては喜ばしいゲームだった。ディフェンスが強く、今シーズン向上ポイントにしていたディフェンス力が上がってきたと思う。しっかりしたディフェンスでアタックでも良いトライが獲れたし、浅野キャプテンがリーダーシップを発揮してくれた試合だった。両チームはラックでも攻撃的なチームっだが、レフリーがしっかりとコントロールしてくれた。激しいプレイの中でもバランス良く継続出来るようにしてくれた、素晴らしいゲームにしてくれたレフリーに感謝したい。

【NECグリーンロケッツ　浅野良太キャプテン】
花園まで来て頂いたファンの人達に感謝したい。グラウンドコンディションも天気も良く、選手として嬉しく思うし、感謝もしている。試合ではセカンドステージで勝つことができず、非常に苦しい時間もあったが、先週サントリーとのオープン戦では、みんなの思いが詰まったゲームだった。トップ４のサントリーに勝つこつが出来て、勢いといい気合で今週一週間準備が出来たと思う。本当に負けたら最後なので、来週もここで勝って日本選手権に出て、あと５週間必ずこのメンバーで試合をしたいと思っている。

（FBに吉廣を起用したがその意図と評価は？）

クーパー：理由は２つあって、サントリーとのオープン戦で良かったこととトップリーグでFBもウイングもできること。将武選手が体調を崩していたので先に出場させた。

［敬称略］

（記事：蜷川善夫、廣島治、玉川育夫　写真：小巻真司　広報担当：村島博)