2014日本代表強化試合

 


2014日本代表強化試合  マッチ・会見サマリー
(近鉄花園ラグビー場)

4月26日(土) 14:00Kick Off

日本代表
29
22 - 14
 7 - 21
アジア・パシフィックドラゴンズ
35


◎ 日本代表 vs アジア・パシフィックドラゴンズ マッチ・サマリー

  若葉の季節、近鉄花園ラグビー場の東に座する生駒山の木々も新芽が芽吹き緑色のボリュームを増してきた、プレーする側も観戦する側も素晴らしいコンティションでラグビーを楽しめそうな予感を抱きながら、昨年のウェールズ戦以来の花園での代表戦である。

  KOはアジア・パシフィックドラゴンズ(以下APD)、BKに若手を登用したジャパンは落ち着いてゲームを運び10分に5番真壁伸弥が先制トライ、19分にも14番山田章仁がキックを追い右隅にトライ、12番中村亮土のゴールも決まり12―0とする。24分には中村がPGを決め15―0と手堅くリードを拡げる。ここまでは終始ジャパンのペースであったが、26分にAPDは22mラックから左へ展開、14番徐 吉嶺がトライ、15番高忠伸がゴールを決め15―7とする。28分APDはその後のKOからのボールを素晴らしい繋ぎでゴールまで運び10番トゥシ・ピシが右中間に押さえ15―14と1点差に追い上げるが、35分にジャパン6番ヘンドリック・ツイがインターセプトしてゴール中央にトライし、22-14とジャパンのリードで前半を終える。

  後半に入り、APDは、9分15番高がPGを決め22―17と1トライ差まで詰め寄る、さらに、18分には、サモア代表の22番サイニバラティ・ラムワイが素晴らしい個人技でトライし15番高のゴールでついに逆転に成功、その後はトゥシ・ピシがDGを決めるなどして29―35でAPDがジャパンを下した。

  ジャパンはセットプレーが安定していただけに、前半の25分頃からAPDが「個」で勝負に出るまでにもう少しリードを拡げたかった、また後半に相手陣に攻め込みながらミスでチャンスをなくしたのも痛かった、総じて選手がその場で問題点を修正する能力に課題が残ったと言えよう。




◎ 会見サマリー

【アジア・パシフィックドラゴンズ タナ・ウマンガヘッドコーチ】
APDとしては、嬉しい結果で良かった。一方、日本代表にとっても今後の試合に向けて激しい試合を求めていたと思うので、良かったと思う。日本ラグビーにとって、今後ラグビーを展開していく上でいいPRになったと思う。

【アジア・パシフィックドラゴンズ ニリ・ラトゥキャプテン】
今回の試合は、準備期間が短く難しかったが、素晴らしい経験のあるタナ・ウマンガヘッドコーチに率いられてチームもいい準備が出来た。日本も勝ちに行っていたが我々も勝とうと臨んだ。試合に向けて、チームと話し合いをして気力でも負けないようにと全選手で臨んだ、この選手の一員になって出場出来たことを誇りに思う。

(日本代表の印象は、気になる選手は?)

ラトゥ:今回の日本代表のフォワードは強かった。また、若手のバックスを経験させているという印象で、今後のアジア5カ国対抗でもいい結果が出せると感じた。今日は、インサイドセンターの選手がいいプレイヤーだと思った。攻撃でもバックスリーが若い選手だったので、未来に向けて正しい道に添って動いていると感じた。



【日本代表 エディ・ジョーンズヘッドコーチ】
フィジカル面で強く、そして速いバックスの相手と試合を行う、完璧な練習試合だった。1ないし2点学ぶことが出来た。ディフェンスラインのセットは良かったが相手に十分なプレッシャーを与えることが出来なかったので、相手にやりたい放題やられてしまった。アタックは関しても9番が起点としたプレーが出来なかったし、10番からのオプションも悪かった。新しいスタンドオフとして廣瀬が入ったがこの状況で良く頑張ってくれた。新しいキャプテンも良い仕事をしてくれた、新しいキャプテンにも感想を聞いてほしい。

【日本代表 リーチ・マイケルキャプテン】
今日は多くのファンに会場まで応援に来て頂き、まずお礼を申し上げます。試合に関しては、ヘッドコーチが言ってくれたことが全てだ。試合のところどころで良いところもあったが、細かなところのミスで相手ボールになって、継続が出来なかった。これから細かなミスを無くすよう、修正していきたい。今日は有難うございました。

(今日できたことは?)

リーチ:今年になって練習のスタイルをよりゲームに近いものにしてきた。やろうしていることは良かったが、フォワードについては、まだまだ近いところとスタンドオフからのオプションに関して修正すべきところがある。バックスに関しては良かったと思う。

(経験の少ない選手を起用したが、評価は?)

ジョーンズ::若い選手に関しては、特に中村は良いプレーをしてくれた、大学からの選手でもこの様な試合でいいプレーをしたと思う。昨年、サントリーでもセンターの経験が少なかった村田も良かった。石井と藤田の学生もボールを持っている時は良いプレーをしていたが、持っていない時のプレーでのさらなるレベルアップを期待したい。若い選手がこの様な試合に出場出来たことは、ジャパンの未来に良いことだと思う。

(リーチのキャプテンシーと試合後のミーティング内容は?)

リーチ:キャプテンシーはまあまあ(笑)いい仕事をしてくれた。シニアプレイヤー達と一緒にリーチはキャプテンとして良くやってくれているが、チーム全体が強くならなくてはならない、コーチに頼るのではなく選手達が役割を果たして行くことが大切だ。アジア5カ国対抗では余裕を持って勝てるとは思っていない、選手達が問題点を改善しなくてはならない。試合後のチームミーティングでは、先ほど述べたような改善点を伝えた。チームでのリーダーシップの取り方を変えて、選手達がリードするように持って行く、良いことを得るためには時間がかかるが、リーダーシップはいい方向に向かっていると思う。




[敬称略]

(記事:北畑幸二、玉川育夫、広報担当:村島博)